少年は剣の世界で城を上るようです 第七層
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――
「おぉ!?」
武器を通常の槍から十字槍に代え、更に目を瞑りスキルを発動する仕草(傍目からは
不動だが)すると、身体が山吹色に薄く光り、アクセサリのような小さな丸っこい羽が
背に浮かぶ。タンッと3m程跳ぶと、上昇が止まった滞空段階でそのまま空中で3秒程
止まってから落ちて来る。落下が始まった段階で槍が真紅に輝き、技名のコールが僅かに響く。
「"天鎚"。」
ヒュッ―――!!
落下が目に見えない速さまで加速され、ほぼ同時に、着地。
―――ズドォォォォォオオオオオオオオオオオオオン!!!
「どぅわぁぁっぁぁぁああああ!?」
隕石でも落ちて来たのかと見紛う地震とクレーターと地割れを発生させる。
以前見た俺達はコソコソと退避していたが、知らなかったキリトは吹っ飛ばされ、
地面を転がる羽目になった。跳び起きると、HPを1割ほども減らされた事を
まるで気にせず俺に掴みかかって来る。
「な、なななななななん!!」
「エクストラの"神槍"と特殊アクティヴスキル"飛輪"だとさ。」
「なんなんだよ!!」
俺の話を聞いていないのかと突っ込みを入れたくなるが、気持ちも分かる。
"天鎚"の威力も然る事ながら、一番は"飛輪"だろう。効果は実に単純に『数秒滞空出来る』と
言うものだが、その利便性は計れるものではない。
そもそも空中でのソードスキル発動は地上で発動するよりも更に完璧なモーションを
要求され、そのせいで48層ボス、果ては下層の飛行系モンスターに歯痒い思いをした。
そのプレイヤーの中には当然、俺達も入っているのだ。
「ありえねぇ……"ユニークスキル"二つ持ちだって?ふ、フフフ、俺がビーターなら
お前らは間違いなくチーターだろうよ。実力が伴ってなきゃどうなってたろうな…。」
「さぁて、"もしも"なんて考えるのは人間を辞めた時にやめたからなぁ!人生楽しいぞ!」
「さぞ楽しいだろうな!?あー………まぁ、いいか。」
ガックリと項垂れた後、ちょちょっと操作すると新たに剣と鞘が背中に現れ、
装備していた剣とX字になる。随分諦めの良い事だが、成程。最前線で使って行けば
習得度の増加は早く、修錬も積みやすい。仮にミスっても俺達ならフォローも容易い。
合理的かつ、効率的な決定だとも言えるだろう。
「よし!キリトも諦めた事だし、マップ完成させるまで突っ込むぞ!」
「りょうかいよ〜。」「・・・はい。」
「マジか!?って言ってもマジなんだよなぁ……ああもう!ならとことん付き合って貰うぞ!」
「「おー!」」
「・・・おー。」
・・・その後、僅か5時間でマップを
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