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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
八月一日・夜:『“ダァク・ブラザァフッヅ”』
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 何故こうなったのか、と頭を抱える。席について駄弁っている闖入者達にバレないようにカウンターに引っ込んで、しゃがみこんで。
 バレている訳ではない、と信じたい。もしもそうであれば、暗部の情報網であっという間に個人情報を丸裸にされて『風紀委員(ジャッジメント)所属』……引いては『警備員(アンチスキル)所属』と知れてしまうだろう。そうなってしまえば、麦野沈利の事だ。即座に『物理的にクビ(メルトダウナー)』モノ。


「うわっ、見てよ絹旗。さっきの女のテーブルの料理……こんなもの誰が食う訳よ」
「超えげつないラインナップですね、あの根菜とか引き抜かれた時に超悲鳴を上げそうな形してます」
「美味しいのかしらねぇ? フレンダぁ、アレ、摘まんでみな?」
「ちょっ! 勘弁してよ、麦野! あれ、ゲームとかで見た事ある訳よ! 食べたら即死する奴なのよ!」
「大丈夫だよ、ふれんだ。わたし、胃薬持ってる」
「……滝壺、それ結局食えって言ってる訳?」


 その様を想像して青くなりながらそっと除き見れば、四人は海神の姫君が残していった下手物料理の方に気を取られているらしい。
 そもそも、考えるべき事は他にもある。彼女らが、此処に来れた理由であるとか。


──まさか、実はあの中に魔術師が居る訳じゃねぇよな……だとすれば、まさかとは思うが滝壺ちゃんの『能力追跡(AIMストーカー)』か?
 (いや)、それはない筈だ。それならもうバレてる事になるし、そもそも根性莫迦(ナンバーセブン)に負けた事により、どんな作用でかは不明だが『自分だけの現実(パーソナル・リアリティ)』を()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()である、俺の『確率使い(エンカウンター)』を追跡はできない。


 では、何故か。そこで行き詰まる。魔術の気配はしないが、隠遁に優れた術者ならば尻尾を見せなくてもおかしくはない。
 何か、気に懸かるモノはある。『他人の精神に働き掛ける魔術や能力』、嚆矢が知り得る中で、この店の隠蔽を剥がせる程のモノは、たった二つ。


──超能力者(Level5)・第五位の能力と、もう一つ。“()()()()()()()()()()()()”────


 詳しい事は良く覚えていない精神操作系能力の最高峰と、()()()()()()()()()
 何にせよ、気は抜けないと言う事だけは確かだ。どちらだとして
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