第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
八月一日・夜:『“ダァク・ブラザァフッヅ”』
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て。
『申シ訳アリマセンデシタ、直グニオ持チシマス────』
「勘弁してニャア、オイラにも用事ってもんがあるのナ〜ゴ────」
「「………………」」
そう、金切り声が真面目に。バスドラの声が、巫山戯たように二人に答えて。刹那、フレンダと最愛が虚を突かれた顔をしたのを確認して。
直ぐに、自分がやらかした失態に目の前が真っ暗になった気がした。『終わった』と、だがまだ諦めず。
「成る程……超そォ言う事ですかァ」
「そうね、結局そう言う訳なのよね」
「………………あの、違くてですね、ちょっとお茶目をしてみたくなったと言いますか……」
フードを被ると仇敵を見付けたようにじろりと睨み付ける最愛、携帯を切ると最高の玩具を見付けたようにニヤリと笑うフレンダ。二人はそれぞれが注文した皿を嚆矢から奪い取ると、テーブルへと戻っていく。
「……後で、話が超あります。逃げたらブチ殺しますから」
「……結局、帰り道が楽しみな訳ね」
その去り際に、揃って嚆矢の頭の両側に顔を寄せて。怒気を孕み、まるで断罪するように。サドっ気を孕み、まるで嘲弄するように。
鯱が海豹を過剰殺傷ように、猫が鼠を甚振るかのように。
「「────ジャーヴィス?」」
「………………はい」
掛けられた最愛とフレンダの声に逆らう術など、嚆矢には残されていない。諦めて、窓の外に浮かぶ……赤く潤んだ三日月を見上げたのだった。
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