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駄目親父としっかり娘の珍道中
第72話 俺の戦い、私の戦い
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待出来そうにない。今、此処に居る自分ひとりでどうにかしなければならないのだ。
 だが、一体どうすれば良い。まさかあんな大量の浪人の居る中を突っ切って行くとか? 嫌、それは余りにも無謀過ぎる。
 第一、そんな事銀時か神楽でもない限り出来ない芸当だ。自分が同じような事をすれば即座に周りを取り囲まれて即ジ・エンドになるのがオチだった。
 一体どうすれば良いだろうか?
 打開策を練る為に再度大勢の浪人達のごったがいする港近辺を見た。
 相変わらず、あちこちを大勢の浪人、浪人、浪人、定春、浪人、浪人、エリザベス、浪人、浪人―――

「……あれ?」

 おかしい、浪人しか居ない筈の場所に何か不似合な物が幾つか見えた気がしたが―――
 もしかしてメガネでも曇ったとか? 一旦メガネを外して綺麗に吹き、念の為目もしっかり擦って再度メガネを掛けてもう一度見てみる。
 其処には、歩き回っている浪人達の中に極自然に混ざっている定春とエリザベスの姿があった。
 しかも、定春の背中の上でへばりつくかの様にくっついている神楽の姿もしっかり映っている。
 それだけでも驚きだと言うのに、なんと周りの浪人達が全くそれに気づいていないのだ。と、言うよりこいつらそれを見て見ぬ振りしてるんじゃないのか?
 顔面蒼白になりそうな面持ちで新八はその光景を目の当たりにしていた。
 まぁ、流石に巨大な犬や謎の生物が往来をうろうろしていたら流石に目につく。始めこそ気にしなかった浪人達であったが、徐々にそれに不自然さに気づき視線を合わせ始める。

「なぁ、家にこんな奴ら居たか?」
「い、居たかなぁ? 俺だって全員把握してないから何とも―――」

 徐々にあちこちでざわつき始める。これって不味くない? かなり不味くない?
 側から見ている新八は正しく胆を握られてグニグニされている感じであった。
 このままでは不味い。このままだとあの二人と一匹は間違いなく斬り殺されてしまう。
 そんな凄惨な未来が見えてしまったのだ。
 そんな矢先の事であった。突如エリザベスが【何だよ。俺の顔を忘れちまったのか? 昨日一緒にUNOやってたじゃねぇか!】と書かれた板を取り出したのだ。
 それを見た浪人達が皆納得したかの様に手を叩く。

「あぁ、やったやった! 確かに居たよこいつら。昨日一緒にUNOやったから俺知ってるし!」
「あぁ、あの時か、こいつらめっちゃ強くて結局俺達オケラにされちまったんだっけなぁ」

 口ぐちに納得の声を挙げだす浪人達。え? 何それ、何でそうなるの?
 全く状況が理解出来ていない新八は疑心暗鬼に陥っていた。最早どうツッコミを入れれば良いのか分からない程になっていたのだ。

「あ〜、気持ち悪いアルゥ、おいお前ら、ちょいと近くの薬局行ってバフ○リン買
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