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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story8 妖精の背徳
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」
「OKエビ!」
ずっとルーシィの横で出番を待っていたキャンサーが、身体が重い為立ち上がる事さえ出来ないチェルシーとグラミーに飛び掛ろうとした、その時だった。
突如、グラミーの背後から白い何かが飛び出した。キャンサーは瞬時にその白い何かを“危険”と察知し、その場を離れた。
「キャンサー、どうしたの?」
「何かいるエビ。」
キャンサーが持っていた鋏でその何かがいる場所を指し示した。それは球体のような形をした目も鼻も耳も無い、口だけがある白い化け物だった。
「コメル達ーっ、私達のーっ、周りのーっ、重力をーっ、全部ーっ、食っちゃってーっ。」
「シェシェシェシェシェ。」
不気味な笑い声を響かせながら、“コメル”と呼ばれた白い化け物達はグラミーの指示通りグラミーとチェルシーの周りの重力を
食
(
・
)
べ
(
・
)
始
(
・
)
め
(
・
)
た
(
・
)
。
「え・・・」
「・・どうなってるの・・・?」
ルーシィとコテツは目の前で起こっている光景をただ見ている事しか出来なかった。
カラン、とコテツの手から
天秤座
(
ライブラ
)
の天秤が落ちた。
「
天秤座
(
ライブラ
)
の重力が、効かない・・・?」
コテツが呟いたのと同時にコメル達は重力を食べ尽くしてしまったのか、さっきまで床にへばり付くように重力で押し潰されていたチェルシーとグラミーが何事も無かったように立ち上がっていた。
「この子−っ、達のーっ、名前はーっ、“コメル”−っ。ありとーっ、あらゆるーっ、ものをーっ、食べーっ、尽くすーっ、魔物−っ、だよーっ。それがーっ、例えーっ、目にーっ、見えないーっ、重力ーっ、だとーっ、してもーっ。」
「シェシェシェシェシェ。」
「あとねーっ、人のーっ、骨のーっ、髄までーっ、食べちゃうーっ、時がーっ、あるんだーっ。」
「シェシェシェシェシェ。」
5匹ほどのコメルがグラミーの頬や肩に擦り寄る。
「
妖精
(
ようせい
)
はーっ、どんなーっ、味かなーっ?美味しいとーっ、良いねーっ♪」
「シェシェシェシェシェ。」
グラミーの妖しげな笑みとコメル達の不気味な笑い声が、ルーシィとコテツの顔がどんどん青ざめ、首筋の毛が逆立ったのは言うまでも無い。
「ちょっとグラミー、
妖精
(
ようせい
)
を全てコメル達の
餌
(
・
)
にしないでくれる?」
チェルシーがどこからか濃い紫色の銃と鎌を取り出しながら言った。よく見ると、鎌の柄の先端には鎖が付いている。
「大丈夫ーっ!3分のーっ、1はーっ、チェルシーにーっ、あげるーっ、からーっ。」
「何で半分以下なのよっ!?」
「シェシェシェシェシェ。」
「バカにしたように笑うなーーーっ!」
グラミーの思わぬ発言とコメル達の笑い声にチェルシーは声を荒げた。
「ていうか、僕達はそ
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