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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story8 妖精の背徳
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テツは悲しげに微笑んだ。

「とにかくキャンサー、戦闘よっ!この2人をボッコボコにやっつけっちゃってっ!」
「OKエビ。」

契約者(オーナー)であるルーシィの指示通り、キャンサーは両手に持った鋏をチョキチョキ鳴らしながら敵と対面する。

「蟹が相手?薔薇の女帝(ローゼンエンプレス)も舐められたものね。」
「カニーっ、なんてーっ、身をーっ、剥いてーっ、食べちゃうぞーっ!」
「た、食べ・・・!」
「ちょ、ちょっとちょっと!怖気づかないでよォ!あんなのただの脅しだから!」

笑顔で言ったグラミーの恐ろしい脅しを聞いて、1歩後退りをするキャンサーを見て慌ててルーシィが宥める。

「それに、相手はキャンサーだけじゃない事を忘れないでよ?」

話しの間に割って入ったのはコテツだった。コテツはゆっくりと目を閉じ左手を胸に当てる。

「我・・星の世界(アストラル)に認められ、導かれし者・・・汝、星々の力を、我に分け与えよっ!」

コテツの足元に金色の魔法陣が浮かび上がり、コテツの茶髪と額に巻いた赤い鉢巻の端を浮上させる。右手を宙に掲げると、コテツの右手に金色の光を帯びた何かが握られていた。

「・・・天秤?」

そう呟いたのはチェルシーだった。

「そう。でも、これは()()()天秤じゃない。天秤座(ライブラ)の天秤なんだ。」
天秤座(ライブラ)の、天秤・・・?」

ルーシィは剣咬の虎(セイバートゥース)に所属している星霊魔道士、ユキノと契約している黄道十二門の1体、天秤宮のライブラを頭に思い浮かべていた。
コテツが握っている天秤座(ライブラ)の天秤には2つの受け皿があり、それぞれの受け皿には青と紫の水晶が乗っていて水平を保ち続けていた。

天秤座(ライブラ)の天秤に命ずる・・・邪なる標的の重力を変えよっ!」

閉じていた黄玉(トパーズ)のような瞳をカッ!と見開いたのと同時に、天秤座(ライブラ)の天秤が左に傾いた。

「くっ・・!」
「うーわーっ!」
「えぇっ!?」

ルーシィは驚嘆の声を上げ目を疑った。突如、チェルシーとグラミーの身体が沈んだのだ。まるで、チェルシーとグラミーの身体が重くなったかのように―――――。

「そう。この天秤座(ライブラ)の天秤は標的の身体の重力を変える事が出来るんだ。水平だと通常の重力が保たれてて、左に傾けば標的の身体は地面が沈まない程度で重くなり、右に傾くと標的の身体は空気と同じくらい軽くなる。」

コテツが言ったのと同時に、天秤座(ライブラ)の天秤が右に傾いた。

「キャア!」
「わーいっ!ふわふわーっ!」

空気と同じくらい軽くなったチェルシーとグラミーの身体は宙に浮かび上がった。

「そし
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