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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story8 妖精の背徳
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言うハッピーの額をナツがぺしっ!と叩く。
「わーーーっ!・・・あれ?オイラどうしたんだっけ?」
「振り回されて、顔面打って、気を失って、今目が覚めた。」
「あ、そうだ。・・・はっ!そうだナツはっ!?」
「振り回されて、酔って、俺が助けて、炎を食って、今復活した。で、今に至る。」
今まで気を失っていたハッピーにアオイが今までの
経緯
(
いきさつ
)
と今の現状を簡潔に説明した。
「コイツ等・・・完全に俺達の事忘れてやがる・・・!」
「思った以上に時間を食っちゃったわね。一刻も早く片付けましょ。」
「おぅ。」
忘れられている(?)ミルバとジュナが戦闘体勢を取る。
「で、俺達の目的って何だっけ?」
「
薔薇の女帝
(
ローゼンエンプレス
)
の魔道士・・・つまりアイツ等を倒して、シャルル達の居場所を聞き出す事だよ。」
「おー、そうだったそうだった。」
「肝心な事を忘れるなよ・・・」
ナツは握り締めた右拳に灼熱の炎を纏うと、目の前にいるミルバとジュナを猫のような吊り気味の目を更に吊り上がらせて睨み付ける。アオイは
青竜刀
(
セイリュウトウ
)
を構え直すと、ナツ同様目の前にいるミルバとジュナを
青玉
(
サファイア
)
のような吊り気味の目を更に吊り上がらせて睨み付ける。ナツとアオイの眼光の鋭さに、ミルバとジュナは震え上がった。
「存分に酔わしてくれた事と美味い炎を食わしてくれた事にお礼しねェとな。」
「正しくは、“
妖精
(
ようせい
)
の反撃開始”な。」
「2人とも頑張れーっ!」
ナツは不気味に、アオイは妖艶に微笑んだ。
―1番通路―
「開け!巨蟹宮の扉!キャンサー!」
金色の魔法陣が展開し姿を現したのは、青いストライプ柄のシャツにサングラス、特徴的の髪型に両手に鋏を持った黄道十二門の星霊の1体、巨蟹宮のキャンサーだった。
「ルーシィ、今日はどんな髪型にする
エ
(
・
)
ビ
(
・
)
?」
「毎度毎度、いい加減空気読んでくれる!?」
「星霊魔道士!?しかも黄道十二門!?」
「カニーっ?エビーっ?いったいーっ、どっちーっ?」
普段はルーシィのヘアスタイルを担当しているキャンサーの呑気な言葉にルーシィは透かさずツッコミを入れる。
チェルシーはルーシィが数少ない星霊魔道士であり、世界の12個しかない黄道十二門の鍵の星霊と契約している事に驚嘆の声を上げ、それとは裏腹にグラミーはキャンサーが蟹か海老か分からなくなっているみたいだった。
そして、この場で最も不似合いな言動をする者が1人―――――。
「あ、
久
(
・
)
し
(
・
)
ぶ
(
・
)
り
(
・
)
キャンサー!元気だった?」
「コテツ
殿
(
・
)
、お久しぶりエビ。」
「アンタ等どういう関係よーーーっ!?ていうか“殿”ってなによ“殿”って!?
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