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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story8 妖精の背徳
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跳ね返していた理由は、“ナツを助ける”という()()()()()()()()()()()()のだ。

「あーもう!この能無し鋼男!アンタはもうじっとしててっ!」

どうやらかなりの短気、らしいジュナはミルバに向かって怒鳴り散らすと両手に赤色の魔法陣を展開した。

(ファイア)モード、発動!」

展開した赤色の魔法陣が鮮やかな臙脂色に変わり、紅蓮の炎を纏ったリボンが飛び出した。

炎の紐(ファイアリボン)!」

炎のリボンはナツに向かって一直線に襲い掛かっていく。

「ナツ!起きろォ!」

アオイが叫ぶが先程までリボン酔いに襲われていたナツは起き上がる事が出来ない。それどころか目を回し、頭上に星がくるくる回っている状態だ。

「ナツ!火だっ!火ッ!」

ナツの大好物である火を耳にすれば起き上がると思ったが、ナツが起き上がる気配は無い。
アオイは考えた末、奥の手である言葉を可能な限りの声で叫んだ。

「ナツーーーっ!イグニールが目の前にいるぞーーーーーっ!」

ナツの両耳がピクッ、と反応したのと同時にガバァ!と起き上がった。

「イグニールがっ!?どこにい゛ア゛!!?」

「どこにいるんだっ!?」と言おうとしたナツの口に、炎のリボンが自分から飛び込んだ。

「えっ・・」
「あ。」
「おしっ!」

ジュナが小さく驚嘆の声を上げ、ミルバは口をあんぐりさせ、アオイはガッツポーズを取った。

「何だ・・コレぁ?・・・でも、美味いなコレ。」

ナツは突然自分の口の中に飛び込んで来た炎のリボンをガブガブ、もぐもぐ、ムシャムシャとむさぼるように食い尽くしていく。

「なっ・・なっ・・なっ・・!」
「・・・・・」
「いつ見ても、気味悪ィぜ。」

ミルバとジュナは完全に言葉を失い、アオイは面白可笑しそうな笑みを浮かべながら呟いた。

「ふー。ごちそう様でした。」

炎のリボンを最後の切れ端まで食い尽くしたナツは口を拭いながら立ち上がった。そして辺りをきょろきょろ見回し視界にアオイを捉えると、

「おいアオイー!イグニールはどこだっ!?」
「あ、悪ィ。・・・俺の幻覚だったみてーだ。」
「ンだとコラァーーーっ!」
「まぁまぁ、美味い炎が食えたんだ。それでチャラにしてくれよ。な?」
「・・・しゃーねェな。」

ナツは気を失っているハッピーを拾い上げながら歩み寄って来るアオイに、今にも噛みつくような勢いで怒鳴るが、手で制しながら言うアオイの言葉に渋々納得する。

「おいハッピー、いい加減起きろ。」
「・・ん・・・あい・・・お魚〜・・・」
「寝ぼけてんじゃねーっ!」

寝ぼけて変な事を
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