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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story8 妖精の背徳
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奴隷がいる地下。ねぇ、奴隷の様子見に行っても良いでしょぉ?」
「うーん・・・そうねぇ・・・」

顎に指を添えてしばらく考えた後、マリーナは観念したように添えていた指で(まる)を示した。

「ヤッター!」
「ただし、絶対に石化させちゃダメよ?売り飛ばす前日に石化させるのが、奴隷の本来の美しさを一番保てるんだから。」
「うん、分かった!マスター、ありがとー!」

そう言い残すと、モカは“秘密の部屋”を元気良く飛び出して行った。
1人“秘密の部屋”に取り残されたマリーナは、再びティーカップを持ち上げ紅茶を啜った。紅茶特有の香りはまだ残っていたが、すでに冷めていた。
そうやってマリーナは1人、“秘密の部屋”で時間を持て余していたがやがて独り言のように小さく呟いた。

「・・・モカの気持ちも、分からなくはないわね。」

ソファから立ち上がると、黒いワンピースの裾をひるがえしながら“秘密の部屋”を出て行った。
バタン、と扉が閉まったのとほぼ同時に、テーブルの上に置かれた花瓶に生けられた黒い薔薇の花弁が一片、儚く床に散った。





―3番通路―

「スチールメイク、槍騎兵(ランス)ッ!」

ミルバが手を広げたのと同時に、無数の鋼の槍がナツとアオイに向かって一直線に襲い掛かってきた。2人はミルバの攻撃を同時に跳んで避けた。

赤い紐(レッドリボン)!」

その頃合(タイミング)を待っていたかのように、ジュナが右手に赤い魔法陣を展開し、そこから飛び出した赤いリボンがナツの左足を絡め取った。

「お?」
「ナツ!」
鋼鉄砲(スチール・キャノン)ッ!」
「ぐァアア!」
「アオイ!」

リボンを切ろうと青竜刀(セイリュウトウ)を振ろうとしたアオイの脇腹に、鋼の砲弾が直撃し遥か彼方を吹っ飛んで行った。

「そぉーっれ!」
「うぉああぁあああああ!」

ジュナは細い腕だけの力とは到底思えないほどの腕力でリボンで左足を絡め取られたままのナツをぐるんぐるんと振り回す。ナツはされるがままに振り回される。

「ぅ・・ぅぷ・・・」

そして、こんな非常事態でも乗り物酔い・・・いや、リボン酔いに襲われる。

「アハハハハ!なーにコイツ?すっごい弱ーい!」
「ナツを離せーっ!」

ジュナの背後からハッピーが飛び掛ろうとするが、ジュナはハッピーの長い尻尾を鷲掴みにすると、ぐるんぐるんと数回振り回すとゴミのように投げ捨てた。

「ふぎゃ!」
「ハッピー!」

壁に激突したハッピーはそのまま気を失った。
立ち上がり駆け出そうとしたアオイの前にミルバが立ちはだかった。

「お前の相手はこの俺だ。」

自分に親指を向けてミルバが言った。チッ、と舌打ちをした後、アオイ
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