四十話:ぶつかり合う想い
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ケアメイル》』!
「禁手か……凄いパワーを感じるな」
「当たり前だ、この力はお前を取り戻すために手に入れたんだ! その位ないと困る!」
片腕から赤い波動を飛ばしてルドガーに攻撃するイッセー。ルドガーはそれに対して危機感を覚えてとっさに避ける。どうやらルドガーの予感は当たっていたらしく、ルドガーに当らずに飛んでいった波動は山に当り跡形もなく消し飛ばしていた。
それを見て少し肝を冷やすルドガーだったがすぐに当たらなければどうということはないと切り替えて槍のリーチを生かしながらイッセーに対してつかず離れずの状態で攻撃を加えていく。イッセーもそれに対して何とか対応しようとするがルドガーとは経験の差がありすぎるために攻撃を当てることも全てを避ける事も出来ずにジリ貧状態になっていく。
一対一の戦いであればこのままイッセーが負けていただろう。しかし、この戦いは一対一ではない。ルドガーを連れ戻そうとしているのは一人だけではないのだ。ルドガーがこれで終わりにするためにイッセーに対して槍を突き立てようと大きく槍を引き貫こうとした瞬間、二人の間に“黒歌”が飛び込んできた。その事にルドガーは顔を青ざめ慌てて槍を引こうとするが間に合わずに恐らくは致命傷になるであろう胸に槍を突き立ててしまう。
「く、黒歌っ!?」
その事に真っ青になって黒歌に近づこうとするルドガーだったが突如として黒歌の姿は霧のように消え去ってしまう。その事に訳が分からずに茫然とするルドガーだったがその顔は消えた黒歌の後ろから現れたイッセーにより殴り飛ばされてしまう。
その拳を受けたルドガーはろくに受け身も取れずに地面に叩きつけられその衝撃で息が出来なくなってしまう。一体今のは何だったのだと酸素が足りない頭で考えるルドガーの元に再び黒歌が現れる。
「ルドガーがさっき刺したのは私の分身にゃ……ちょっと卑怯だったと思うけどルドガーを連れ戻すためだから許して欲しいにゃ」
「ぶ…分身…? そうか……なら…よかった」
「ねえ、ルドガー……私はルドガーと戦いたくないにゃ。それはルドガーも同じでしょ。だから、もう、やめて帰ってきて」
自分が刺したのが黒歌の分身だったとわかり呼吸が整わないままも安堵の表情を浮かべるルドガー。そんなルドガーに黒歌は涙ながらに説得するが、ルドガーはそれに対して何も答えずに立ち上がり黒歌に背を向けて再びイッセーと向かい合う。
そんなルドガーに対してイッセーは鎧の頭の部分を解除して強い覚悟の籠った眼差しでルドガーを見つめる。それに対してルドガーも信念の籠った目でイッセーを見つめ返す。
「ルドガー、俺は何が何でもお前を連れ戻す! それが俺の願いでもあり、みんなの願いでもあるか
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