四十話:ぶつかり合う想い
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ば止められないことはないのである。
しかし、ルドガー本人は今までギャスパーの能力を実際には見たことがなかったのでそのことに驚いてしまい、僅かばかり雷雲から逃げ出す足を止めてしまった。そのことにハッとし、すぐに動きを再開しようとしたルドガーであったが既に手遅れであった。
「私はこの忌々しい力を使いあなたを連れ戻します―――雷光よ、迸りなさい!」
大地を揺るがし空気を切り裂くような凄まじい音と共にルドガーに雷と堕天使の力である光が加わった、雷光が降り注ぐ。ルドガーは声を上げる間もなくその光に飲み込まれて姿を消してしまう。朱乃が全力で放ったこの一撃を受けた以上はルドガーと言えどただでは済まないだろう。
ただし―――受けた相手が生身の状態であればの話だが。
雷撃の中心部分から朱乃の電光とは違う黄金の光が溢れ出し、電光をはね返していく。そして驚く朱乃をよそに光と雷が残る中心地からゆっくりとルドガーが歩いて出てくる。ルドガーの姿は頭以外の全身を骸殻で覆い、背中からは光で出来たひだの様な物が生えていた。スリークオーター骸殻である。
「骸殻……ですか?」
「……兄さんを殺した際に手に入れた力だ」
そう言うと同時に朱乃の傍に移動し、横に薙ぎ払って朱乃吹き飛ばすルドガー。そしてそのまま近くにいたギャスパーの腹に蹴りを入れて倒す。そんなルドガーに対してイッセーが殴りかかって来るがルドガーはその拳をいとも簡単に片手で受け止めその掴んだ腕を利用して上空へと放り投げる。
そして宙に浮いたイッセーに目掛けて衝撃波を飛ばす。悪魔は本来であれば空を飛べるので避けることも難しくはないのだがイッセーは飛ぶのが苦手なために避けることが出来ず、仕方なく溜めていた倍加の力を放って衝撃波を相殺する。
「……みんな強くなっているな」
「ああ、お前を連れ戻すためにみんな強くなったんだ」
「だとしても、骸殻を使えば十分勝てるレベルだ。お前達じゃ俺には勝てない、諦めろ」
諦めろと言うルドガーに対してイッセーは断固として拒絶の意志を示す為に強い意志を持って叫び返す。
「いいや、諦めねえよ。今のままでダメなら強くなればいい。それでもダメならまた強くなる! 俺はお前を連れ戻すことを絶対に―――諦めない!」
『Welsh Dragon Balance Breaker!』
その瞬間、イッセーの体から噴き出る力の嵐、全てを支配せんと吹き荒れる赤き波動。以前に見せた左腕を代償にしてなった擬似的な物とは比べ物にならない程の力を宿す、赤い全身鎧。イッセーの想いに答えて至った禁 手 化―――『|赤龍帝の鎧《ブーステッド・ギア・ス
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