四十話:ぶつかり合う想い
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みを黒歌に向けながら双剣に持ち替える。
「君を守れるなら、俺はどうなったって構わない……。
何が何でも君に生きていて欲しいんだ……例えそれが―――君を傷つける選択だとしても」
そう言うと同時に、足だけ部分的に骸殻を発動させ、ヴィクトルのように超高速で移動しアーシアに斬りかかるルドガー。回復役から消すのは戦場においての常識だ。普段のルドガーであれば戦闘に参加はしないアーシアを傷つけようとしない。
しかし、今回は回復をされて再び立ち向かってこられると困るので容赦なく狙いに来たのだ。そしてアーシアは傷を与えても自分で回復をしてしまうので意識を刈り取るために剣の峰で後頭部を狙う。そして、後少しでアーシアの後頭部に剣の峰が当たろうとした時―――
「アーシア!」
イッセーが間一髪のところで横っ飛びでアーシアを抱きかかえ何とかその攻撃に当たることを回避する。しかし、避けたといってもまだルドガーの射程範囲内に居ることには変わりがない。そしてその危惧通りにルドガーは素早く双銃を創り出し相手を動けないようにするためにイッセーとアーシアの足と肩を撃ち抜こうとするが、そこでまたしても邪魔が入ってしまう。
突如として巨大な炎を宿した車輪がルドガーに飛んできたのである。ルドガーはそれを見て避けるのは間に合わないと判断してハンマーに持ち替えて車輪を防御する。だがそれでも威力を殺しきれずにルドガーは数メートル程後ろに飛んでイッセー達から引き離されることになる。そして、車輪はまるでブーメランのように持ち主、小猫の手元に戻っていく。そして小猫の姿はいつもとは違い猫又の特徴である耳と二本の尻尾を生やしている状態であった。
「少し見ない間に変わったな……小猫。その車輪と姿はなんなんだ?」
「……この車輪は『火車』といって猫又の使う妖術です。……そしてこの姿は姉様との修行で闘気を纏えるようになった姿です、兄様」
「そうか……まだ、俺なんかを兄と呼んでくれるのか」
「……私は兄様以外が私の義兄になるなんて嫌です。……だから帰ってきてください」
「可愛い義妹のお願いでもそれは出来ないな!」
すぐに小猫との距離を詰めようとするルドガーだったがそんなところに赤黒い禍々しい魔力が飛んでくる。小猫に集中していたルドガーはそれに気づくのに僅かに遅れて脇腹にかすってしまう、ただかすっただけでもあるにも関わらずルドガーの脇腹は傷つき、血が溢れ出す。
その事にその傷をつけた張本人であるリアスは顔を苦痛に歪める。情愛の深い彼女にとっては自分が傷つくよりも眷属、ひいては部員が傷つくことの方が辛いのである。だがそんな彼女とて譲れないものはある。
「ルドガー……あなたが私達を守る為に私達と戦うなら……私達もあなた
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