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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
土くれのフーケ
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ではこれも珍しいことではなくなった。
茜が帰ってきたのを境に俺も立ちあがる。
「じゃあ一旦荷物を置きに帰るわ。」
「ああ。じゃあまた後でな。」
「おう。」
「あ!待ってお兄ちゃん、私も行くー!」
衛宮の家から俺の家までは歩いて十数分かかるところにある。茜と並んで歩きながら、俺は先ほど聞いたことを確認する。
「茜、衛宮たちとロンドンに行くって本当か?」
「あれ、言ってなかったけ?うん、もう決めたんだ。私は魔術はダメだけど、それでも何か手助けできたらなあって。」
茜は俺以上に魔術師として出来が悪い。というか、「ある事情」により、もうロクに魔力を行使することも出来ない。そんなコイツがそれでも着いて行きたいと思うのは・・・やはり、恋なのかねぇ。
「やれやれ、まああの『正義の味方』と一緒なら俺ももうお役目御免なのかねえ。」
特に意味もなくただ何気なく呟いた言葉だったが、茜は突然立ち止まった。「?」と振り返ると、茜は少し怒った顔になっていた。
「お兄ちゃん。もう二度とそんなことを言わないで。」
「ん?」
「確かに私は衛宮さんのことが好きだよ。でもお兄ちゃんと私はもう家族なの」
「私はあの日、お兄ちゃんに救われた。今だってそう、お兄ちゃんが見守ってくれているから私はこうして普通の暮らしができるんだよ。」
「だから私、お兄ちゃんのことも手助けしたい。私を守ってくれているように、私もお兄ちゃんを守りたい。」
―――――だから、ずっと一緒にいて・・・
俺は言葉が出なかった。力もなく、魔術も使えないこのか弱い女の子がどうやって人を守ろうというのか。だが、その言葉がどうしようもなく嬉しかった。
ずっと一緒にいて、か・・・。
「はあ〜〜、お前にそれを衛宮にも言える度胸があればなあ。」
「え!?あ、ああもうお兄ちゃん!私は真剣に・・・!」
「分かってる分かってる。冗談だ。」
と言いながら、赤面している妹の頭を優しく撫でてやる。どうもコイツはこれが好きらしい。
「ありがとな。」
ほら、帰るぞと言いながら歩き出す俺に、「もうっ!」と言いながらついてくる。その顔はもう怒った様子はなく、いつもの明るい笑顔に戻っていた。
俺たちが求め、そして手に入れた当たり前の日常の風景だった。
「―――ケル、カケルったら!」
「・・・ん?」
はっと気が付くと、みんなが心配した顔をして覗き込んでいた。
「・・・どうした?」
「どうしたって、こっちのセリフよ。ここからは馬車じゃ通れないから歩いて行くって言ってるの!」
「あ、ああそうか。悪い。」
ボーっとしている頭を覚醒させ、いそいそと馬車を降りる。
「何か思い出したの・・
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