暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
土くれのフーケ 
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の日常が戻ってきた。
 こうして衛宮の家で二人で他愛のない話ができるのも俺が聖杯戦争に関わって以来だろうか。
 ただ少し違うのは、衛宮が自分の道に向かって確かに歩み始めたこと。それと、

「当然お前も行くのか?」
「無論です。私はシロウに剣を捧げた身ですから。」

 衛宮家に新しい家族が出来たことだ。
 この聖杯戦争で衛宮と共に戦い、本来消えるはずのサーヴァント―――セイバー。だが、今はこうして新たなるマスターである遠坂との契約を続け現界している。どういう理屈なのかはよく分からん。何せ俺は魔術師としては出来損ないらしいからな。

「架はどうするんだ?これから。」
「俺かぁ・・・」

 聞かれたが、正直思いつかん。今まで何気ない日常を過ごしてきたから、急にそんなことを言われてもな。
 いや、俺やアイツにとってはこの『当たり前の日常』こそ、欲していたものなんだ。今更何か欲しいというわけでもない。
 と思っていたら・・・

「おや、カケルもアカネもシロウたちと一緒に来るのでしょう?」
「「え?」」

 セイバーの発言に俺と衛宮の声がハモった。
 アカネというのは影沢茜、俺の義妹であり生涯をかけて守ろうと誓った人だ。

「え〜と、セイバー。それは誰からの情報で・・・?」
「誰って、アカネ本人から聞いたのですが・・・。てっきりカケルとも相談して決めたものかと。」

 当然そんな話をした記憶はない。衛宮たちがロンドンに行くなど、たった今聞かされたんだから。

「衛宮、あいつにはもうこのことを話したのか?」
「いや、まだだ。あれ?でもそういや遠坂のやつが茜と確かそんな話をしていたような・・・。」

 それで納得した。俺は茜を生涯守り続けると言ったが、そこに恋愛的な感情はない。あいつはあいつの幸せを掴んでほしいと思っている。現にあいつは・・・

「なるほどな。そういうことか。」
「ええ。そういうことです。」
「??どうしたんだ二人とも。俺が遠坂とセイバーとロンドンに行くってだけだろ?」
「「・・・・・」」

 はあ〜〜、と今度はセイバーとため息が重なった。茜のヤツ、衛宮と遠坂がくっついたときには「まだ諦めない!」とか言ってたけどこれはもう無理なんじゃないか。
 と、そこへ、

「ただいま〜。」
「衛宮さん、お兄ちゃん、ただいまー!」

 帰ってきたのは今の話にも上がった、この度衛宮の師匠となった遠坂家の当主、遠坂凛。そしてハツラツとした態度をしているのは俺の義妹の茜だ。
 二人は今晩の夕食の買い出しに出かけていったのである。今日はこの五人に加え、衛宮の後輩であり茜のクラスメートである間桐桜と衛宮家の居候・・・じゃなかった衛宮と俺のクラス担任の藤村大河で夕食を食べることになっている。最近
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