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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
土くれのフーケ
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を躊躇っていた。しかし、躊躇ったからこそ、あまりいいものでないことは容易に推察できた。
そんな中ルイズは以前架が言っていたことを思い出した。架は自分のことを『出来損ないの魔術師』と称していた。もしかして、それと何か関係しているのではないだろうか。
そのことを聞いてみようとしたが、ロングビルが先に口を開いた。
「その気持ち、分かりますわ。」
ロングビルが先に口を開いた。
「え?」「ミス・ロングビル?」
「私にも妹のような存在がいますの。あの子がいるから、私は今も頑張っていけるんです。」
そう、そのためなら何だってして見せる・・・!という彼女の呟きは誰にも聞こえることはなかった。
架は黙って、ロングビルの言葉を聞いていた。しかし突然、
――――――――ズキッ!!
「ッッッ!!?」
またしても頭痛が襲った。しかも先ほどよりもずっと強力だ。思わず頭を抱え蹲ってしまい、それを見たルイズたちが「カケル!?」と声を上げた。
「カケル!どうしたのいきなり!?」
「ぐっ・・・分からん。突然頭痛が・・・」
「馬車を止めましょうか?」
「い、いえ・・・大丈夫です。」
とはいえ、未だ苦しげな表情で冷や汗を流している様子ではとても大丈夫には見えない。直してやりたいが生憎この中に回復系魔法を使える者はおらず、そもそも原因が全く分からないためそれで何とかなるかも分からない。
どうしていいか分からず、心配げな顔で寄り添うルイズたちであったが、ここで意外な者が話しかけてきた。
「相棒よう。おめえ、記憶をなくしたって言ってたよな。」
「デルフリンガー?」
架の背中にあるデルフリンガーだった。鞘から
?
(
はばき
)
まで上げ、金具の部分をカチャカチャと音を立てている。
「何か知っているの?」
「馬っ鹿おめえ、知り合ったばかりのヤツの事情なんざ知るはずもねえだろ。」
「だがよ・・・」と人より遥かに永く生きる魔剣は少しトーンを落としながら言った。
「記憶なんてものは、本来忘れるはずねえんだ。あるとすれば、思い出せないだけか思い出したくないだけなんだよ。」
「思い出したくない・・・?」
「ああ。人間てぇのは、心に深い傷を負うとそれを忘れちまおうって記憶を勝手に封印しちまうのさ。『もう傷つきたくない』ってな。」
「それじゃあ、今の架は・・・」
「その心がかけた封印が解かれようとしてるんだろ。」
心の、封印・・・。そうだ、あの日・・・
「そうか、遠坂に弟子入りね・・・」
「ああ、近々ロンドンに行くことになるな。」
聖杯戦争が終わってしばらく経った。数々の傷跡を残した今回の戦いだったが、それも徐々に落ち着きを取り戻し本来
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