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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
土くれのフーケ
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ず「まあ気持ちは分かりますよ。」という視線を投げかけておくと、それに気づいたオスマンは「すまん。」という目で苦笑を返した。
ともあれ、オスマンの言葉に効果はあったようで、教師たちも反対の声を上げる者はいなくなった。
「魔法学院は諸君らの努力と貴族の義務に期待する!!」
オスマンが部屋中に響き渡るように宣言すると、三人はそれに応えるように再び杖を掲げた。その様子は見る者に、これから戦場に向かう騎士とそれを見送る王を連想させるものだった。
それは架も同様だった。自分もルイズの使い魔として彼女たちに同行する。恐らくフーケとは戦闘になるが、この中で最も戦えるのは自分だ。何があろうと、彼女たちを守ってみせる。
そう心に誓おうとしたが・・・
―――――ズキッ!
「(な、なんだ・・・?)」
突然、頭に鈍い痛みを覚えた。外からの衝撃ではない。頭の奥がズキズキと痛む。
前にも、少しだけ感じたことがある。数日前、ルイズにサーヴァントや聖杯戦争のことについて説明した夜だ。
「(なにか・・・なにか忘れている・・・?)」
今は欠けている記憶。即ち自分がこの世界に来る前、その時に何かあったのか・・・!?
「オールド・オスマン。案内役として、ワタクシが同行致しますわ。」
「おお、ミス・ロングビル。そうしてくれんかね。」
「もとよりそのつもりですわ。」
その時、ふと現実に引き戻された。ロングビルがみんなを馬車へ案内していくところだった。
頭痛はまだ続いている。が、今は気にしている時でもなさそうだ。自分も後に続こうとすると、「使い魔君!」とオスマンに呼び止められた。
「くれぐれも、皆を頼むぞ。」
彼と話をしたのは初めてであったが、その真剣な眼差しに、架は胸に手をあて恭しく一礼して応えた。
「承知いたしました。」
五人は荷車のような馬車に乗り、森の奥へと進んでいた。御者はロングビルがやっている。貴族の割には中々上手な手綱さばきである。それについてキュルケが問いかけてみたところ、
「貴族の名を、なくした・・・?」
「ええ、それからいろいろなところで働いているうちにオールド・オスマンが秘書として雇って下さったんです。あの方は貴族や平民といった身分に拘らない人ですから。」
「へえ、それでどういった理由で貴族の名を?」
「・・・。」
キュルケの質問にロングビルは微笑みを浮かべるだけだ。どうやら聞かれたくないものらしい。
「止めなさいよ、失礼でしょ!」
「む〜、何よ!ちょっと暇だったから聞いてみただけよ!・・・あ、そうだ!」
ルイズの制止にキュルケは渋々従った。が、何か思いついたのか、ボケっと会話を聞いていた架の
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