異変
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に歩いていたフェイトとアルフが急に険しい様子になった。
「フェイト、これは!」
「うん! ジュエルシードの反応だ!」
そう言うなりフェイトとアルフはおれに弁当箱と車イスを無理矢理押し付けて駆け足で昇って行ってしまった。恐らく上にいるジュエルシードの暴走体やらと戦っているのだろうが、おれは押し付けられた弁当と車イスを、はやてを背負いながらどうやって持って行こうか悩む羽目になった。
「……サバタ兄ちゃん、弁当は私が持つわ。せやけど車イスは……頑張って、としか言えへん」
「ああ。それにしても……………地味に厄介な状況だ」
とりあえずはやてにしがみつく力を強くしてもらい、左手に力を込めて彼女の体重を支える。一応人一人持ち上げる程度の腕力は維持しているが、それは両手が使える状態の話であり、片手だと重心のバランスを調整するのにも力がいるため、想定以上に負担がかかっていた。また、棺桶のように引きずるわけにもいかない(元々引きずるものでもない)車イスは片方空いた右手で強引に持ち上げる事で、四苦八苦しながら時間をかけて上まで登り切る事は出来た。
そして何とかたどり着いた境内では少し地面が荒れているものの、小型犬と気絶している女性、それと俺に運ぶのを全部押し付けた同居人2名がいた。
「やったね、フェイト! まさかお弁当を食べに来た場所にジュエルシードがあるなんて嬉しい偶然だね!」
「うん。発動地点のすぐ目の前だったから、暴走体が暴れ出す前に封印できて良かったよ」
「フェイトに怪我もなく回収できてこれ以上無い成果だよ。さてと、それじゃあはやてとサバタの所に戻って―――」
「勝手にサバタ兄ちゃんに全部押し付けた分のおしおきを受けるんやね?」
「そりゃあ悪かったと思ってるけ…………ど!?」
「は、はやて!? サバタ!?」
こちらに振り返ったフェイトとアルフの顔が徐々に蒼白になる。それもそのはず、はやての背後から目が昏く光る狸のオーラが溢れているからだ。なぜ狸なのかはツッコまない。
とりあえず彼女達に先走った事への反省を促すべく、当たり障りのないミスを指摘しておく。
「……二人とも、任された仕事を途中で投げ出すのは普通どうかと思わないか? しかも自分からやると言ったものを」
「あぅ……ご、ごめんなさい! でも、ジュエルシードが発動したから!」
「言い訳無用や! 二人ともそこにお座り!! 反省するまでお昼抜きや!!」
『そ、そんなご無体なぁ〜!!?』
それからしばらくの間、神社の境内で半泣きのまま正座するフェイトとアルフに説教するはやての姿が見られる事となった。ちなみにその傍らでおれは気絶した女性と小型犬を休憩所に運んでおき、しばらく介抱すると女性と犬は目を覚まし、とりあえず貧
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