異変
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して…………仲、良いの?」
「さあ……どうだか。まあ、確かに普通の奴らより良い方ではある。成り行きで会ってから腐れ縁のような関係だが……それがどうかしたか?」
そう尋ねるとこの話になってからなぜか目を輝かせていた自称妹が、期待外れと言いたげな様子で軽くため息をこぼす。変な空気になったことでアルフが話を変えようと、持ってきた弁当をちらつかせた。
「そろそろ腹が空く時間だろ? 見晴らしのいい所でも行ってみないかい?」
「あ、見晴らしという点なら神社はどうや? 少し移動するけどあそこの休憩所は確か弁当食べるのは大丈夫やったし、高いから街も見渡せるから景色も良かったで」
「はやては見たことがあるの?」
「足が動かんようになる前に一度、祈りに行ったことがあったんや。階段は車イスじゃ行けへんからあれ以来、登った事が無いんやけどな……」
「なら今回は問題ない。おれがはやてを上まで運べばいい」
「じゃああたしは車イスを運ぶよ。これなら皆で行けるね!」
「えっと……私は……? 私も何か手伝うよ?」
「フェイトは弁当を持ってくれればいいさ。そんじゃ行こっか」
「え……ぶっちゃけ冗談やったのに、ええの?」
「……はやて。昨日の今日ではあるが、おまえ曰くおれ達は家族なのだろう? それにおまえの方も本当の心の内をあまり表に出していないことぐらい見抜ける。差し出がましいが、少しは兄らしいことをさせてもらうぞ?」
「サバタ兄ちゃんはズバッと辛口入れるなぁ。……でも、そうやね。じゃあ遠慮なく甘えさせてもらうわ」
はやての笑顔をまぶしく思ったおれは、彼女の頭をもう一度軽く叩いて視界から外れるようにした。実の母をさらい、父を倒したおれから見て、彼女達は純粋過ぎた。暗黒仔として育てられ、血塗られた生き方しか出来なかったおれがいるにはここは暖かすぎる。それに破壊の獣として一度取り込まれたおれがあいつの……カーミラの犠牲の上でこんな風にのうのうと生きていてもいいのか、そう思い悩んでしまう。
神社の階段の前につくと、はやてを車イスから持ち上げておれの背に背負う。先程の言質の通りアルフが車イスを運んでくれるため、おれははやてを背に階段を上って行く。
「しかし背負ってみると、はやては予想していたより軽いな」
「たぶん、足の筋肉が衰えとるからその分重さが無いんやろうなぁ」
「……ならいつか、おまえが自分自身の足でこの階段を登れるようになった時、もう一度背負ってやろうか?」
「マジで確認する気かい!? ……ま、私かてもういっぺん歩きたいし、道は険しいけど治るよう努力するわ」
そうして雑談をはやてとしていた次の瞬間、いきなり神社の境内の方から何か大きな力の胎動を感知した。すると後ろで階段を一緒
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