異変
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めるが良い〜♪」
自分が面倒を見ている充実感を味わっているはやては小さな胸を張る。特に何かを思った訳では無いが、徐に彼女の頭に手を載せてみた。
「ああ、感謝している」
「ぁ……」
女子の髪に触れた事はあまり無いが、感触的にまるで羽毛を触っているイメージであり、穏やかな気分を抱くものであった。一瞬きょとんとしていたはやてだったが、俺が右、左、右、左……と何度も振り子の動きを模写したような手の動作を繰り返す度に、気持ちの良さそうに顔が緩んでいく。
「お…………おとーさん……」
「誰が父さんだ、この豆狸」
突然変な事を抜かしたはやての額にデコピンを撃ち込む。
バチンッ!
「ぐわっ!? も〜何やのサバタ兄ちゃん、せっかくいい気分やったのにぃ〜」
「別に……俺が珍しく他人を褒めてやったら突然親父呼ばわりされたものだから、ついイラッとな」
「つい、だけでデコピンすんなや!? も〜!」
そういうはやては服の袖で僅かに目元に滲んでいた雫をぬぐい、ふくれっ面を向けてきた。膨れた頬の彼女と俺がジト目で見つめ合っていると、隣から空気が漏れたような可愛らしい声が耳に届いた。
「ふふっ……面白いね、二人とも息があってて」
「あ〜あたしも、サバタには悪いけど本当の兄妹がじゃれあってるように見えたね」
「フェイトちゃんもアルフさんも他人事で微笑ましく見とるのは、まあええ。問題はサバタ兄ちゃんのデコピンや! 初めて喰らったけど、想像以上に痛かったんやで!?」
「確かにバチンってかなり良い音してたね」
「うんうん、まるで打楽器を叩いたみたいに響いてたよ」
「私は太鼓やあらへんわッ!!」
からかわれた事ではやてはしかめっ面を浮かべる。しかし直後に3人ともおかしくてつい苦笑していた光景を見るに、彼女達の関係も馴染めてきているように感じられた。
「何言うとるんや。サバタ兄ちゃんもこの中に入っとるっちゅうねん」
「……はやてがそう思いたいのなら思えばいい」
「う〜ん、サバタ兄ちゃんは本当に素直じゃあらへんなぁ。私たちにも少しは心の内を明かしてもらいたいわぁ」
「……“ひまわり”も昔、おれに似たような事を言ってきたな」
「ひまわり?」
「花のひまわりの事じゃないよね?」
「ああ。“ひまわり”はおれの知り合いが師匠から受け継いだ通り名みたいなものだ。本名も当然知っているが、通り名の方が使いやすいからそう呼び続けている」
「へぇ〜、サバタにそんな知り合いがいたんだねぇ」
「ちょい待ち。その知り合いって…………女なんか?」
「そうだな。寝ている所を起こすと流石に怒るが、紛れもなく女だ」
「寝てる所を起こすやと!?」
「もしか
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