異変
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う人はいない、という気持ちを起こさせているに違いない。そしてそこから、彼女の望みがここまで小さい理由と、過去に彼女の周りにいた人間の性質を把握する事ができる。
異端を排除する思想。つまり自らと異なる者、理解の及ばない者は切り捨てる、という世紀末世界の人間となんら変わらない性質。それに煽られたことによる平凡な出来事への羨望、そして諦観。結果、自らの存在意義をほぼ喪失させてしまっている。
フッ……気に喰わんな。
「いいだろう、親睦を深めるという意味でもちょうどいいしな」
「え……ほんまに来てくれるんか!?」
「ああ。それにおれもこの辺りには疎い、案内してくれるのならどこへでも付き合おう」
まさか肯定の返事をもらえると思っていなかったのか、はやては身を乗り出して確認してきた。それに頷くと彼女は足が使えたら小躍りしそうなぐらいのテンションで喜んだ。傍から見て少しオーバーだと思う。はやてとのやり取りを見ていたアルフが念の為と言った様子で話しかけてきた。
「サバタ、もしかしてあたしとフェイトも付き合うのかい?」
「じゃあ早速お弁当の用意とかしなきゃいけへんなぁ! ここでしくじったら情けない家主やと思われてしまうし、ルートもしっかり決めなあかん! 責任重大や〜!」
「……おまえ達はあれを見て断れるか?」
「いや……ちょっと気が引けて無理だねぇ」
「私も本当は探し物を探すのを急がなきゃいけないんだけど……案内付でいろんな所を探せると考えれば逆に好都合かな?」
「フェイトが決めたんならあたしもいっか。まあ、焦って探さなくても発動した時に急いで向かえばいい話だよね」
「ああ、昨日言ってたジュエルシードの事か。おれはそんなものいらないが、フェイトが必要なら手に入れた時に譲ろう」
「いいの、じゃなくて……いいんですか?」
「おれの当面の目的は昨日のヴァンパイアだ。あれの行方を捜すにはこの街の地形を知っておく必要がある。その際にジュエルシードを見つけたとしても、おれには必要のないものだ」
「それに昨日サバタと相談したんだけど、ジュエルシードには願いを歪んで叶える力があるじゃないか。もしヴァンパイアが手にしたら大惨事を引き起こす可能性もあるから、できるだけ早めに回収して欲しいんだってさ」
「そうなんだ……」
「だがまあ、今回は単純にはやての頼みを叶えてやろうと思って決めさせてもらった。すまないな、勝手に付き合わせる事にさせた」
「だ、大丈夫だけ……ですけど。あ……じゃあ一つだけお願いしてもいいですか?」
「なんだ?」
「えっと……私が夜にジュエルシードを探しに行く時、一緒に来てくれませんか? そ、その……」
「昨日のあれのせいで夜出かけるのが怖くなったんだって
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