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リリなのinボクらの太陽サーガ
車椅子の少女
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最後の方だけボソッと呟いたはやてだったが、フェイトとアルフにとっては渡りに船とも言える話で、はやてに聞こえないように念話で相談していたため、その言葉は聞こえていなかった。後ろにいた暗黒少年を除いて。

「……じゃ、じゃあ……お願いしてもいいかな?」

「あたしは部屋を借りれなかった責任もあるし……フェイトがそう言うんなら何も言わないよ」

「よっしゃあ! サバタ兄ちゃん共々歓迎するで!!」

「え……サバタって?」

アルフが聞き慣れない名前に首をかしげるが、フェイトはもういいや、と正すのをあきらめていた。それにはやてだけでなくフェイトも、何だかんだで『兄』という存在に憧れを持っていた。はやても本来勘が鋭い方であるが、今なら多少強引に話を進めれば家族ができて孤独で無くなると言う子供の必死さが思考を支配しているので、フェイト達の指摘をあえて聞かないようにしていた。その結果、サバタも状況に流されるまま、成り行きでここに住む事になっていた。

拠点が無い以上、両者にとっても好都合ではあるのだが……。

「(サバタ兄ちゃんの怪我は明らかに刃物じゃなくて、何かに噛まれたようなものやった。フェイトちゃん達も電話とかを使ったような形跡は見せへんかったし、なんか私の知らん力での連絡手段があるんやろうな。特殊な事情持ち二組……いや、原因不明の病で足が動かへん私も入れて三組が一つ屋根の下で一緒に暮らす、か。どこかの侵略者が一斉に集まった六畳間じゃあらへんけど、皆いれば楽しくなりそうやし、何が起きても何とかなる気がしてきたで)」

足を動かせない生活をしていた事で人から奇異の目を向けられる事が多かったはやては、人の性格を見る観察眼をその年代の子供にしては大人顔負けのレベルにまで昇華していた。そして家の中に入れる前にその目で観察しておいたサバタとフェイトを、悪意より善意を慮るはやてが信頼できる良い人だと判断した結果、こうして押せ押せ交渉術を使う事にしたのだ。

「じゃあこれからよろしくな、フェイトちゃん!」

「うん、よろしく、はやて」

「(想定外の事態だったけど、結果的に良い方向に働いたのかな? フェイトの嬉しそうな顔を久しぶりに見れたよ。でもさぁ……サバタって誰なんだい……?)」

「そもそもおまえ達はいつまで玄関で話しているつもりだ……? 風が入るだろう」





はやてが「友情を深めるには裸の付き合いやー!!」という事で半ば強引に連れて行った(連れて行ってもらった?)フェイトと風呂に入っている間、おれはフェイトの連れのアルフと色々話していた。内容はフェイトが使っていた【魔法】の事と、ヴァンパイアについての事が中心だったが、フェイトをかばって左肩を怪我したと知ってから最初は警戒していた彼女も緊張を解いてくれた
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