暗黒の戦士
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をよくそこまで信用できるものだと思う。恐らく誘拐されて不安だったのと、あの男たちがやろうした事への恐怖からだろう。こういう子守りは本来おれのやる事ではなく、ジャンゴの役割のはずなのだが……。
気絶したままの男たちを先程まで彼女達を縛っていた縄で拘束した後、すずかが自分のGPSと“けーたい”が壊されたからと言って男たちの一人が持っていた“けーたい”を使って連絡を取った。しばらくすればこいつらの家族や知り合いがやって来るそうだ。遠方でも連絡を取れる道具があるとは驚きだが、そもそもおれは何か重大な事を見落としているのではないか?
ヴァナルガンドと共に眠るはずだったおれが生きてここにいる時点で違和感だらけだったが、もしやここは世紀末世界では……ないのか? だとすればカーミラとおてんこがヴァナルガンドに封印を施す過程で何かしたのか? それとも不測の事態でも発生したか? これは眠った時に見ているただの夢なのか? 今は正確な所がわからんが、ひとまずこいつらのお守りはしっかりしておこう。
「そういや私たち、あんたにまだちゃんと名乗ってなかったわね。私の名前はアリサ・バニングスよ」
「私は月村すずか、って言います」
「そうか……」
「………………」
「………………」
「………………」
「…………ってそれだけ!? もっと会話を続けようとしなさいよ!!」
「サバタさんって、意外とマイペースな人なんですね……」
ウガー! っと吠えるアリサと物静かに構えるすずかを横目に、おれは屋外の方からすずかより若干濃い闇の気配を察知したため身構えた。連絡したのはつい数分前で、二人の知り合いがここに来るにはいくら何でも早すぎる。そう考えた次の瞬間、衝撃と同時に倉庫の扉が吹っ飛んだ。見間違いではない、言葉通りに扉が宙を舞ったのだ。
カギは開けておいたのにな。
「「「「ゲボラァ!!!?」」」」
飛んでいった扉がちょうど捕えてまとめていた誘拐犯たちの頭上に落下、追い討ちをかけるように連中は再び意識を飛ばされていた。扉の質量から考えて、あれはクレイゴーレムの転がり攻撃に匹敵する威力だろう。そんな破壊活動をしでかしたのは、見た目は少し年上の男女2名だった。そして男の方は小太刀と呼ばれる刀を二本手に持っていた。
「なぁ忍、実行した俺が言うのも何だが、わざわざ扉を吹っ飛ばす必要は無かったんじゃないか?」
「家族愛に駆られてやっちゃいました♪」
「そうか、まあ仕方ない」
仕方ないのか……。
別に人の性癖などに口出しするつもりはない。大地の巫女がああ見えて徒手空拳の達人だという事とか、ひまわりが低血圧で寝相がかなり悪いとか、人によって色々あるからな。俺はそういうのは気にしていない。
それより刀と言えばいくつか
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