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リリなのinボクらの太陽サーガ
暗黒の戦士
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暗黒少年……サバタ。敵でも味方でもない。今のところはな……」

「はぁ? 敵でも味方でもないって、結局助けているのに?」

「暗黒少年……? じゃあさっき銃弾や拳を避けていたのはその力?」

「おまえ達に訊きたい事がある。闇の一族(イモータル)を知っているか?」

「質問に答えなさいよ! ……って、イモータル?」

「えっと……イモータルって何ですか?」

「……質問を変える。銀河意思ダークの事はわかるか?」

「はぁ……それ以前に、銀河に意思ってあるものなの?」

「すみませんが私には全然わかりません。天文学の専門用語か何かですか?」

見当が着かないのか首を傾げる二人の様子に、嘘はついていないと判断した。しかしこれではっきりした。世紀末世界の夜の一族はヴァンパイア全域を指すが、こっちの夜の一族は吸血鬼なのは同じだがアンデッドではなく、銀河意思ダークの影響下に無いと。となるとこっちの夜の一族はもしかしたら月光仔に近い存在なのかもしれない。魔の一族の手で滅ぼされた月の一族、月光仔。その生き残りが母マーニと偽りの母ヘル以外にもいたとしたら、おれ達兄弟にとってある意味同族という事になるのだろうか。

「知らないならそれでいい。縄は解いてやるから、あとは自由にするんだな」

「自由にってコラ! あんた、私たちに迎えが来るまで待ってなさいよ! 勝手にどっか行ったりするんじゃないわよ!」

「あの……お願いですから一緒にいてくれませんか? 迷惑だと思いますけど、こちらにも事情がありますので」

「……………」

成り行きで助けはしたが、元々そこまで面倒を見るつもりは無い。縄を解かれて自由になった手足を実感している二人には悪いが、おれにはおれの都合がある。放っといて倉庫を出て行こうとしたら、いきなり二人が“月光のマフラー”を掴んできた。おかげで首が絞まって息苦しい。

「……放せ」

「イヤよ、今の私たちが頼れるのはあんただけだもの。一緒にいるって言わない限り離さないわ」

「わ、私にも私の家のしきたりがありましてですね……! それに助けてくれたお礼もしたいですし……!」

今更だがこの二人はかなり強情だと理解した。ゼロシフトや暗黒転移で振り切るのは簡単だが、流石に大人げないか。それにもし見捨てたら“ひまわり”辺りから説教を喰らいそうだ。アイツの小言はうるさいからな、言われるぐらいなら少しぐらいの面倒は受け入れてやるとしよう。それにしても……なぜだか知らないが、こいつらといたら更に面倒なヤツがやってきそうな気がして仕方ない。

「はぁ………おまえ達の知り合いが来るまでだ、それ以上は待たん」

マフラーを緩めながらそう言うと二人は花が咲いたように喜びと安堵の表情を浮かべた。会ったばかりの人間
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