暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
暗黒の戦士
[4/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ミングで月光魔法ゼロシフトを使い、“月光のマフラー”をたなびかせながらヤツの銃弾を文字通りすり抜け、次弾を撃たれる前に手刀で銃を落とし、続けざまに胴に掌底を放つ。呼吸が乱れてひるみながらヤツは起死回生のパンチを振るうも、腰の入っていないこの攻撃は容易く見切れる。

「この程度の実力でリーダーを張れるとは、存外お粗末な組織だ」

「クッ……! なんだこいつは……喧嘩屋で鍛えた俺の拳が捕え切れないだと!?」

風を切る音を鳴らしながら空振りする拳を横目に、男の二の腕を弾いてがら空きになった脇腹に膝蹴りを撃ち込む。喧嘩屋は嘘ではないらしく、かなり堅い筋肉の感触が伝わってくる。

「なかなか痛ぇ一撃だったが、こちとら伊達にこの業界長くやってないんだよ!」

「その言葉、そっくり返させてもらう」

「は? 小僧のくせに何を言っている?」

自分の半分も生きていない少年が言った言葉を一瞬疑問に思ったものの、男は戯言と断定した。そこからはおれを強敵と断定した男と凄まじい速度での体術の応酬が繰り広げられる。態勢を整えてから放つ相手の攻撃は見過ごせない重さが籠っているが、ゼロシフトを交えて戦うおれを捕える事はどうしても出来なかった。一方でおれはこの頑丈な男をどう崩すか、光明を見出していた。一発では届かなくとも連続でなら、どれだけ頑強でもいずれ耐え切れなくなる。合気の要領で位置を入れ替えた瞬間、爆発的な速度で連打する。

ゼロシフト込み、機神菩薩黒掌!

「ぐぅぉぉぉあああああ!!!!」

流れるように放たれた連続攻撃に男は為すすべなく打ち上げられ、トドメで顎に一発強い拳を入れる。脳を揺らされた男は呻き声を上げながら仰向けに倒れて気を失った。戦いが終わった事で息をつくが、それにしても……。

「……おまえ、最後まで人質を盾にはしなかったな」

目的や仕事のために人質を取る事はあっても、戦いに利用しようとは思わなかったらしい。裏社会で生きてきた男のなけなしの矜持なのかもしれないが、おかげで互いに面倒な事にならずに済んだ。
さて、念のため周囲を見渡しておくが、おれが倒した男どもは全員生きて気絶したままだった。とりあえず敵は全て倒したため、さっさと立ち去ろうと「いや待たんかい!!」した所でアリサが怒鳴ってきた。そういやどうしよう、こいつら。

「なんか助けてくれたみたいだけど、あんた誰なのよ!? ってかさっき銃で撃たれたはずなのに何ともないまま殴り合うってどういう事よ!?」

「アリサちゃん、落ち着いて落ち着いて!」

すずかがアリサをなだめて抑えているが、冷静になったおれは面倒な気分だった。だが落ち着いた事で、おれが知りたい情報を直接尋ねられるという事に気付き、とりあえず表情を崩さずに相手をする事にした。

「おれは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ