エピソード1・プロローグ
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クのアクセルを緩める。だが直後、カーミラの叱咤が届く。そしてこれはヴァナルガンドの最後のあがきで、月蝕の影の中から誘い出し、太陽の光を直に浴びせる事で完全に石化できると伝えられる。そして諦めなければ想いは生き続けると教えられたジャンゴは、逆転に、未来に繋ぐためにハイウェイを滑走する。
内部でも抵抗されているせいでヴァナルガンドの怪奇光線に先程の威力は無い。それでも馬鹿にならない破壊力ではあるが、それらをこの短期間で培ったバイクテクニックでどうにかかわしていく。体当たりでもこちらをスクラップにしようとする破壊の獣からの決死の逃走劇。地球の縁から太陽の光がこぼれてくるが、しかし目に見えてヴァナルガンドとの距離が徐々に狭まっていく。だがさっき一度諦めかけたジャンゴはもう二度と諦めないと叫んだ、その瞬間!
「アンコーク!」という声と同時にヴァナルガンドの体内から黒い影が脱出してきた。速度を同調させたジャンゴはその影、サバタの復活を嬉しく思った。しかし喜ぶのもつかの間、老朽化か何かでハイウェイが途切れており、横転したジャンゴはハイウェイに身を乗り出す事に成功するがバイクは途切れた道の先に落ちていった。一瞬だけ意識を喪失してしまうが、サバタの声ですぐに取り戻したジャンゴは迫り来るヴァナルガンドを兄弟で見据えた。
ごく短時間の最終決戦、サバタがヴァナルガンドから暗黒物質を吸い出し、ジャンゴがその身に宿ったヴァンパイアの血でトランスし、ダークジャンゴとなってヴァナルガンドを弱らせる。太陽の力と暗黒の力、そして石化能力の猛攻撃はヴァナルガンドの力を上回り、破壊の獣が完全に石化し、それによって顔が崩壊して塵となっていった。
「やったのか、カーミラ……ヌグッ!!」
突如胸を押さえてしゃがむサバタに、ジャンゴは驚く。
「ここまでか……本体が石化したとあれば、この幻影も消えるのが道理だ……」
「サバタ……?」
まさか、と思った時、ジャンゴの顔を見たサバタは穏やかな表情で光となって散っていった。思わず手を伸ばしたジャンゴだが、その手が掴めるものは無かった。
「ヴァナルガンドと成り果てたおれには、もはやおまえと共に未来を歩むことはできない。おれはこの地で……カーミラと共に、破壊の獣として永遠のねむりにつく。だが、もしもいつか目覚めることがあれば……おれは必ず、おれ自身を取りもどす! たとえどんなにつらくとも、もう二度と……未来をあきらめたりはしない!! さらば太陽少年! わが親愛なる弟よ!! 太陽がそうであるように……月もまた、いつまでもおまえを見守っている。そのことをわすれるな……」
そしてサバタの声が消えるのに続いて、薄らとおてんこさまが姿を現した。だがその表情から、おてんこさまも同じなのだと気づいてしまった。
「ジャンゴ……
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