第六話
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まないが、元ネタについてそこまで詳しいわけじゃないからこれで全部ではないかもしれないぞ」
そう言いながらもここまで調べられている行動力は、ちょっと尊敬する。こりゃ電文で聞いただけじゃなくて元ネタについてもある程度調べてるぞ。
しかし、肝心のティアの方はというと、見たこともないくらいに真剣な顔をしている。
「ティア?」
「あ、ううん。大丈夫。……そう、隣町のオリジナルアレンジ……」
顎に手を当て、小さな声で「う~ん……」とか唸りながら考えている。
「ねえ、ビブオーリオ君。その噂って、どうやって聞いたの?」
「隣町にも、同年代の知り合いはいるからな。とりあえずそういう話を聞いていそうな知り合いにメールで『今はやってる都市伝説などはあるか?』と聞いてみた。そうしたら、この話しについての返信があったというわけだ。他の話がなかった辺り、かなり有名なんだろうな」
いや、一体何人に聞いたんだよ、コイツは。ここまで自信満々に言うってことは、そこそこの人数に聞いてるぞ。
「ということは……日影市では、今『夢違い』という都市伝説が有名になってるんですね」
で、ティアは何か重要なことでも考えているかのように思案顔になっている。
アレクはそんなティアを見て、何かドヤ顔してきた。ちょっとうざかったのだが、まあティアにとっては重要なことだったみたいだから頷いてやることにする。ちょっとうざいけど。
「でも……やっぱり、日影市だと、ですよねぇ」
「ん?どうしたんだ、ティア?」
「あ、えっとね……ケホケホ。都市伝説って、『都市』がつくくらいだから街によって話されてる噂って別のものになったり、似た噂でもちょっと内容が違ったりするの。だから、大分特殊な形になってるなぁ、って」
「確かに、俺も昨日調べてみたけど、『夢と違うことをするなよな』の類って、殺される系ばっかりだったなぁ」
「それに、話していて面白みがあるのはホラーの色が強い方だろうからな」
確かに、アレクの言う通りかもしれない。話してる側にしても、怖い話の方が話していて楽しいだろうし。しかし、亜沙先輩に対して話す時は怖い話はちゃんとタイミングを見てするようにしないといけないかな。
と、そんなことを考えていたらティアはどこか真剣な顔で俺の方を見て。
「もしも、『こんな光景夢で見たなぁ』とか思ったら、その夢と同じことをしないようにしてね?」
と、そんな助言をくれた。
「夢と同じ、ねぇ」
空を見上げながら、そう呟く。そんなことを言われても、今朝夢を見たのかどうかすら分からないんじゃ仕方ない気もする。でも、昨日の授業中に見た夢は、しっかりと覚えてるなぁ。
「そう。夢の話となると、殺される類かいいことがあるかだけど、どっちにして
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