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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第六話
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こちらを見ているティアの方を見ることにした。すると、ティアはケホケホと少し咳き込んでから口を開く。

「えっと、もしかしてカミナ君もビブオーリオ君の様に呼んでいたりするの?」
「あー、いや。呼び方はどこでもティアだけど……そうだな、たまにはそう呼んでみるのも面白いのかな?」
「あぅ、ちょっと恥ずかしいかなぁ……でも、ちょっと面白そうかも。どうせやるなら、何の前触れもなく、唐突に、でお願いしますね」
「ん、了解」
「って、ちょっと待てカミナ!なんだその仲よさげな会話は!羨ましいじゃないか!」

 最後に漏れた一言から察するに、どうやら羨ましいらしい。なので、手ぶりで話してみるよう促す。ってか、コイツは女子と話とかできるのか?

「ん、そうだな……言われてみると、何を話せばいいのか……」
「ケホケホ……そうですね。ビブオーリオ君の事は、女子の間でもたまに話題に上がりますよ?『銃を構えてる時はカッコイイ』、って」
「……そうか」

 あ、コイツ喜んでる。何かうれしいことがあると歩き方が変わるのだ、コイツは。一緒にいても表情からは感情が読み取りづらいので、こういう行動から読み取るしかないのはちょっと面倒なところだったりする。ちなみに、こうして表情だけで見ると無感情に見えるところなんかも一部の女子には人気なんだという話をティアから聞いたことがある。
 あと、『は』ってついたことにアレクは気づいているんだろうか?いないんだろうなぁ……

「ああ、そうだ。昨日都市伝説の話をしていたとカミナから聞いて、ちょっと調べてみた」
「あ、そうなんですか」

 ティアが俺の方を見てきたので、とりあえず両手を少し上げて見せる。即ち、このまま好きにさせてやってほしい、と。

「ああ。ちなみに、今よく話題に出るのは『日影(ひのかげ)の夢違い』と呼ばれているものらしい」

 夢違い。つまり『夢と違う』、ということだろうか。だとすれば、昨日ティアと話したあの都市伝説とにたものだろう。

「全国的に有名な名前としては、『夢と違うことをするなよ』とかになるのだろうな。これが原型となって、日影市風にアレンジされたものたしい。とはいえ、基本的には有名なものと同じように一度夢の通りに殺されるのを回避したらその犯人に一言言われる、というものらしいが」
「どう、違ってきてるの?」

 お、ティアが続きを促してる。そのおかげでアレクの喜び具合が一段階上がった。今日は俺が見た事のないレベルでご機嫌なアレクが見られるかもしれない。

「ええと、だな……一度回避してあのセリフを言われても、また別の夢を見て似たような目に会うだとか、何らかのきっかけがない限り延々と続くだとか、極々たまにいい夢が再現されることがあるからそれには従った方がいいだとか、だな。す
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