3部分:第三章
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第三章
「爺様の代から陸軍だ」
「じゃあ本当に同じですよね」
「武士と騎士で」
「同じか」
彼はここで考える顔を見せた。
「戦う人間同士か」
「武士道見せてやりましょうよ」
一人が言った。
「我が国のね」
「そうですよね、正々堂々と戦ってそのうえで勝ちましょう」
「絶対に」
「当然だ」
米田の手に刀が握られた。実際にその手にはなくともそれでもはっきりと握られた。それは心に握られたものであったのである。
「それはな」
「じゃあ次こそはですね」
「正面から挑んでそのうえで勝って」
「武士道を見せてやりましょう」
「その通りだ。いいか」
米田はここで言った。言葉がさらに強いものになっていた。
「ただ勝つだけではない」
「はい」
「それだけではなく」
「我々の心を見せてやるのだ」
こう言うのである。
「いいな、武士道をだ」
「そのうえで勝つ」
「心においても」
「日本の心を見せてそれにおいても勝たなければならないからな」
米田の考えだ。それを隠すことはしない。
「それがこの戦いだ」
「大東亜戦争のですね」
「日本の心も見せる」
「この心を」
「見せるものは武士道だ」
米田の言葉は変わらない。
「わかったな」
「はい」
「それでは」
こう話してであった。米田も他の者達もイギリス軍に対して武士道を見せんとしていた。だがこれは彼等だけではなかったのである。
そのウエスターがである。部下達に話していた。
「いいか、我々は軍人だ」
「はい、そしてですね」
「それと共に」
「騎士だ」
厳しい顔で部下達に告げる。
「このことを忘れるな」
「無論です」
「騎士として相応しい戦いをする」
「それですね」
「そうでなくてはならない」
米田と同じであった。彼は気付いてはいないが。
「日本には武士道があるがだ」
「我等には騎士道がある」
「だからこそですね」
「気高く戦いそして恥となることはしない」
クエスターはそうでなければならないと考えていた。それは彼の中ではまさに絶対の考えであり覆るものでは到底なかった。そうしたものだった。
「卑劣、無道にはなるな」
「常に騎士として、ですね」
「そのうえで戦う」
クエスターはまた言った。
「わかったな」
「はい、それでは」
「次の戦いも」
「次だけではない」
クエスターは部下の一人の今の言葉にまた返してみせた。
「その次もだ」
「ではその次もまた」
「そうだというのですか」
「この戦いが続く限りだ」
それまでだというのである。
「いいな、騎士として戦うのだ」
「騎士と武士」
「それぞれの信念で、ですね」
「剣で勝つことには大した意味はない」
これがクエスターの考え
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