春、休日、予感。
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渚、今なんて…?
「あー、かをるだー。」
気づきやがったよ、もう。
『あー、久しぶり。カルマ。』
赤羽「おひさ。 ご機嫌がよろしくないようで。」
『おかげさまでねっ!』
もういいよ!
と、言わんばかりに、私は一人、教室に向かって歩き出した。
メグに呼び止められた気がするけれど、いーや。
アイツ、アイツ……!
停学開け?
ふざけんな!
私はあいつの顔が見たくなかったってのに!
四月二十三日。
土曜日。
部活のない私は、図書館に来ていた。
街で誰かと会いたくなくて、いつも学校帰りによることもある。
椚ヶ丘図書館。
その中でも古典文学の一角。
中高生と会うことは無いに等しい。
綺羅々とあった位だ。
…まあ、あの人はあの人で日本残酷物語集≠ネんて読んでたけど。
ちなみに今日も綺羅々と会った。
綺羅々と私はほぼ入れ違いで、手を振っただった。
その分、私はこの一角で本を広げて、食い入るように活字を見つめられる。
結構幸せ。
だった。
「かをるじゃん。 なにやってんの?」
ビクッ!! として、背中に寒気が走った。
そこにいたのは赤羽業。
カルマだった。
赤羽「めずらしーじゃん眼鏡とか。」
『毎日コンタクトじゃ疲れんのよ……。
っていうか、アンタ図書館でイチゴ煮オレ飲むなあっ!』
そう、私は普段コンタクトをつけている。
ただ、私の場合はちょっと特殊なタイプなため、学校以外はメガネなのだ。
赤羽「ふーん? 外したら俺の顔、わかんない?」
『そう、かなあ? やったことないし…?』
ここは正直に答えた。
『とにかく!イチゴ煮オレをバックにでもしまいなさい!』
赤羽「はいはい、うるさいおねーさま?」
『どういう神経してんだか…』
カルマの相手より続きが読みたかった私は、隣いーい? の声には反応しなかった。
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