プロローグ1
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、この浜辺に立っていて、以前の記憶が無い」
「えっ? それって記憶喪失……?って、大丈夫なんですか?」
俺の言葉を聞いて、慌てて俺に詰め寄る彼女。自分のことだがあまり実感が無いので、そこまで慌てる必要はないのだが、心配してくれた彼女にありがとう、大丈夫だと伝え、話を続ける。
「君は、どうしてここに?」
「私は、先ほど建造が完了してこちらの鎮守府に配属されたのですが……。えっと、鎮守府内に司令官の姿が見当たらなかったので探しに来た所、あなたが浜辺に立っているのが見えて声を掛けました」
“鎮守府”だったり、“建造が完了”と言う言葉。“艦隊これくしょん”を思わせる単語を聞く。
「何故俺が、司令官だと?」
「軍服を着用していらっしゃったので、司令官だと思ったのですが…」
不安そうに、答える彼女。俺はそう言われて初めて自分の服装に気がついた。確かに、今俺が身にまとっている服装は真っ白な上下に、5つの金のボタン。俺の知識にあるような、大日本帝国海軍の軍服みたいだった。
さて、本当に困った。記憶無し、手がかりなしでどうした物か。俺は軍服を身にまとっているが、記憶が無いので自分の身分が分からない。本当に、彼女の言う司令官なのだろうか。そもそも、本当に俺は軍に所属する人間なのかも怪しい。とにかく彼女の言う“鎮守府”に行けば、何かしら俺に関する情報が記されたものが手に入るかもしれない。
「とりあえず、鎮守府に案内してもらえるかい?」
「あっ、ハイ! どうぞ、こちらです」
とりあえず行動することに決めた俺の言葉を聞いて、彼女は嬉しそうに返事をして鎮守府に向けて出した。俺は、すぐさま彼女の後について行った。
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吹雪と名乗る美少女に連れられて、彼女が鎮守府と呼んでいる建物へと到着した。
赤レンガ造りの立派な建物は幾つかの棟に分かれていて、かなりデカイ。しかも、運動場だろうと思われる結構な広さがある場所が近くにあり、その鎮守府を見た俺は大学を思い浮かべた。
建物の中へと案内され、木造の廊下をずんずん進んでいく。
驚いたことに、今鎮守府には人間1人(俺)、艦娘1人(吹雪)そして妖精さん1人の計3人しか居ないということを道中で教えてもらっていた。鎮守府に行けば軍人が居るだろうと考え上官なら指示を仰ごうと思っていたのだが、人すら居ないらしく仕方なく司令官と思われる俺を司令室へ案内してもらっている途中だった。
「ところで吹雪さんは、もう鎮守府の構造は把握しているのか?」
迷いなくズンズンと進む彼女の後を歩きなが
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