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剣聖龍使いの神皇帝
第1巻
《最も古き英霊》×《最も古き神》
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電話の相手の正体を誰かに漏らせば、自分は命がないだろう。亜鐘学園高校一年一組担任である田中太郎は恭しい口調で、『彼』に報告する。

「はい、間違いありません。三人目の神皇帝です。我が校で発見されました。はい、白鉄でも黒魔でもないと知ったのでもしやと思いましたら、流石にこれは驚愕しています」

どこか抜けた普段の田中からは想像もつかない、真剣味を帯びた表情で。

『灰村諸葉と言ったな、一人目はソレスタルビーイング総司令織斑一真、二人目は蒼い翼日本本社社長兼CEO零達也、そして三人目か。その少年の戦闘記録が欲しいね』

電話の向こうから聞こえる『彼』の命令は簡潔にして明瞭だった。

「分かりました。以降は全てを録画し、送ります。詳しいプロフィールや人間関係は不明ですが、何とかしてみせます」

『秘密裏にね』

「はい。誰にも悟られずに」

通話が切れた後もずっと、田中は虚空に向かって低頭した。そうでなければ、胸中でとぐろを巻く畏怖に耐えられなくて。でも実はこの事は既に灰村の耳に届いていた。何か不審な行動をする者がいるなら、無人偵察機をばら撒いている。入学早々に校長室に来るのは、俺が零達也の時に来たぐらいだなと思った。校長室にはオーク製の高級家具の執務机があり、校長先生である四門万里はその上で手を組んでいた。トレードマークのトンガリ帽子は相変わらずだったけど、校長の背後には赤龍帝の鎧を纏っている時に回復魔法的な事をしてくれた女の子が、ピッタリくっついている。そういえば入学式の校長挨拶の時も、ずっと腕にくっついてたな。俺の後ろには沙紀がいる。

「それで?校長先生は神皇帝をどの辺りまで知っているのでしょうか」

「本来なら二つの力が使える者をエンシェントドラゴンと呼び、《救世主(セイヴァー)》の通称であり白騎士機関・日本支部の者は『最も古き英霊』とも呼びます。が、諸葉様は二つの前世持ちでありながら、両方の力は使えない代わりに創造神黒鐵様の力を使える者を、蒼い翼やソレスタルビーイングに一部の者には『神皇帝』と呼んでいます」

「そうね、私が知っている神皇帝の情報はこの世にいるのは今までだと二人だけだと思っていた。二人は頭脳の方が蒼い翼日本本社社長兼CEOをしている御方である零達也様と、戦闘を主に持っているのがソレスタルビーイング総司令官織斑一真様だけだとね。二人とも二つの前世持ちでありながら、白鉄と黒魔でもない力を持っている事ぐらいかしらね」

そこからは《最も古き英霊(エンシェントドラゴン)》についてを語り始めた俺であるが、昔から白騎士機関ではある仮説が唱えられていた。《救世主(セイヴァー)》達は全員が前世を持つ『輪廻転生者(リンカーネイター)』だ。一度転生し、更にもう一度生まれ変わった素性を持つ、《救世主(セイヴァー
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