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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
47.祭典の真実
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んてよくわかんねぇけどお前がピンチになれば助けに行くだけだからな」
彼女の横を通りすぎながら彩斗は不器用な笑みを浮かべた。
「そうだったね。彩斗はそういう人だったね」
柚木がここに来て初めて口を開いた。その顔は嬉しそうにも同時にどこか悲しみを堪えてるようにも見えた。
「それじゃあ帰ろうぜ」
柚木は横に首を振った。そしておもむろに口を開きだした。
「やっぱり彩斗には知っててほしいんだ。私たちのことをね」
そして彼女は語り出した。
《真祖殺し》とまで呼ばれる伝説の吸血鬼たちのことを。
“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”───真祖さえも上回り、不老不死の吸血鬼を殺せるほどの力を持つ眷獣を従える吸血鬼。しかしその存在は突如としてこの世界から消滅した。よって人々の記憶には残らず、伝説上に存在した吸血鬼として語られることとなった。
「それが柚木たちの正体だっていうのか」
「うん……そういうことになるね」
言いにくそうに柚木は呟いた。その表情からは打ち明けることができた安堵と何かに怯えるような恐怖の二つが見えた。
彩斗はあまりにも現実味がないことに天を仰いだ。わかってたことではあるがさすがにスケールがでかすぎて頭が混乱してくる。
「それじゃあ、柚木は元々吸血鬼だったってことなのか?」
「いや、そういうわけじゃないんだ」
「そうなのか?」
あれから少しだけ吸血鬼について調べてみた。吸血鬼になるには、いろいろな手段があるらしい。両親がどちらも吸血鬼でもある場合は子供は吸血鬼。片親が吸血鬼である場合は確率としては半分くらい。真祖から血を直接分け与えられるケース。または血の従者と呼ばれる吸血鬼の体の一部を与えられた擬似的な吸血鬼などもいるらしい。
つまり柚木の場合は途中から吸血鬼へとなったということは、直接的に血を与えられたか血の従者になったということだろう。
「私たち“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”になった経緯が吸血鬼の中でも特殊すぎるんだよね」
「特殊?」
「正直言っちゃうと私自身もいつ吸血鬼になったかっていうとわからないんだよね」
予想外の答えに困惑する。元より魔族などの知識に疎い。柚木がわからないのであれば彩斗にわかるはずなどない。
「多分だけどアレイストさんや京子さん、彩斗のお母さんに聞いても同じ答えだと思うよ」
「なんだそりゃ……」
本格的にわけがわからなくなってきた。突如として人間の肉体が吸血鬼へと変化することなどありえるのだろうか。そんなことができるなら全人類を完全吸血鬼化させることだって可能になってしまう。だが、現実にそれは起こっているのだ。
「それじゃあ、なんでお前たちは同族同士で戦っ
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