暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
47.祭典の真実
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ったかのように彼の体から大量の魔力が大気へと放出されている。その量は計り知れないほどだ。

「気をつけてください、先輩!」

 銀の刃を立上に向けた雪菜だった。しかし彼女の体は小刻みに震えている。今まで同じような魔力を感じたことはあった。現に彩斗の魔力と立上の魔力量はほぼ互角であろう。
 しかしそれを隣で受けるのと真正面から受けるのではわけが違いすぎる。

「さァ……覚悟しろよな。……第四真祖、剣巫」

 容赦ない魔力とともに真紅の眼がこちらを睨みつけるのだった。




 次の日の学校だった。何事もなかったのように平和に暮らしている柚木が彩斗の前にはいた。昨日あんな事件があったことなども自分の正体が知られたことも何もなかったようだった。
 それはそれで彩斗としてはいいことだった。
 彼女には普通の人間として誰もが送るような日常を送ってほしい。
 彩斗は平和な光景に笑みを浮かべるのだった。

「またその変な笑い方して」

「うるせぇ。こっちだって別に好きでこんな笑い方になるわけじゃねぇっつうの」

 柚木はいつものように俺の笑い方が変などと言っておちょくってくる。

「まあ、彩斗の笑い方が変なのは昔からだから勘弁してあげて」

 なにかの匂いでも嗅ぎつけてきたかのように神崎志乃がこちらへと現れた。

「また変なのがきやがったな」

「誰が変なのよ!」

「また夫婦漫才してんのかよ、お前らは」

 すると不敵な笑みを浮かべた倉野木綾までもが彩斗の机へと来たのだった。これでいつものメンバーが勢ぞろいだ。
 突っ込もうとも思ったのだが、それすらめんどくさくなって机に突っ伏した。

「夫婦じゃないわよ!?」

 律儀にも志乃は突っ込むようだ。

「あんたからも言いなさいよね!」

 声とともに彩斗の背中に衝撃が走った。危うく机に鼻を強打するところだった。机に突っ伏している状態で背中を叩くとか非常識にもほどがあるだろ。
 そんなことなど気にせずに彩斗は睡眠にはいる。結局昨日の事件のせいで体は疲れているはずなのに考えることが色々ありすぎて眠りにつこうとしたらいつの間にか朝になっていた。

「まあ、こいつが眠そうなのはいつものことだから気にすんなよ」

 綾のナイスフォローによって彩斗の安眠は保たれそうだ。
 辺りの声が徐々に聞こえなくなっていく。意識が遠のいていく。そして彩斗の意識は現実世界から夢の中へと引きずりこまれていくのだった。




 空には暗雲が立ち込める。大地は砕け、燃えさかりそびえ立つ建物は原型をとどめないほどに崩れてしまっている。
 崩壊した街の中に彩斗は一人立っていた。いや、目の前に誰かがいる。燃えさかる建物の前に人が立っている。しかし、炎
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