3部分:第三章
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軍の軍服を端整に着て正座をして彼の前にいてそのうえで話すのだった。
「私達は行くのです」
「祖国の為か」
「わかっています、誰も」
少尉の言葉は静かだった。まるで悟りを開いたかのように。
「先生もわかっていますよね」
「我が国のことが」
「日本は負けます」
少尉ははっきりと言った。言い切ってさえいた。
「それは間違いありません」
「それは」
「誰もがわかっています。けれどです」
「けれど」
「敗れても。まだ日本は残ります」
こう言うのであった。その悟りを開いたかの如き澄み切った声で。
「私達はその残る日本の為に行くのです」
「死出の旅にか」
「陛下も家族も親も兄弟達も友達も」
少尉が語るのは絆だった。彼の全てと言ってもいいその絆であった。
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