木曾ノ章
その7
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の状況はそれで変わるものではない。ただ確かに「いるはずの主力が今ここにおらず、そうしてこの戦いにおいては間に合わない」という事実があると知れるだけで士気は下がる。皆の心は既に私の問いに対し間を作った提督のせいで不安が生じているのだから。
「……許可する。他に質問がないのなら迎撃作戦を説明する」
僅かに私が首を縦に振った後、他に質問が上がることはなかった。
迎撃作戦の概要はこうであった。
予備戦力を投入した全艦娘を展開し、数で相手を出迎える。実に単純明快。
「では2210より当作戦を開始する。各自装備を整えろ」
提督の言葉に、大量の了解の言葉が返った。そうして皆がその言葉に従い工廠で装備を整える。私も同様に。
当作戦では鎮守府前の海を広範囲に使う。艦隊ごとに一列になり敵侵入予測航路に対し垂直に展開し待つ。最前列は最上を旗艦とした重巡基軸の第五艦隊で吶喊を仕掛けてくる敵に対し砲撃戦を行う。その後粘ることなく艦隊を二分し敵を通しながら前線を一つ繰り下げる。その後出迎えるのが私達第二艦隊。私達は砲撃は殆どせずに魚雷を撒き第一艦隊と同じくすぐさま前線を受け渡す。
「えー、出撃できないの」
背後で聞こえた言葉に耳をすませば、どうやら島風という艦娘の装備が、出撃前点検において不備が発見されて修理を要するらしい。なんでもあまり使われていない発動機らしく予備が少ないとか。
「しょうがない、提督に報告してくるね」
島風が工廠から出て行った。確か、彼女の艦隊は結構後ろのほうであったはずだ。一人いなくてもさほど変わらないであろう。
私は装備を整えると、第二艦隊の皆を連れ立って海へ向かった。
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