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Round《2》〜パラドックス・プレイヤー〜
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 第一回戦、第二回戦が終了し、次なる試合は第三試合だ。

 その出場選手の片翼、彼の世界のSAOにおいて《純白の英雄》の名で恐れられたプレイヤー、リンは、控室に於いて武器の試し振りをしていた。

 今回の大会、本来ならば親友にして従兄弟のライトが出場する筈だった。だが彼は急用(サナとのデート)で出場を断念し、代わりにリンが出る運びとなったのだ。

 デュエル大会では《支度時間》とデュエル開始後以外では、スキルを使うことができない。だが、会場入りをする前ならどうだろうか?

 リンの持つスキル《英雄剣》は、自分の武器を自由に改造することができる。現在リンが使っている武器は《ソード・オブ・ヒーロー》と、《スノーホワイト・レボリューション》。SAO時代から愛用する、最強の剣だ。今日はその二刀に、さらなる強化を加えてきた。

 AGI+1000、Lv1000の究極毒(ウルティメイトポイズン)付与効果、斬撃時の衝撃波発生のエクストラ効果、攻撃ヒット時の防御無視貫通効果、耐久値無限、腐食無効、全スキルによる破壊不可能、所有者のHPを一秒に20000回復……確実に負けないだけの技能を、此処に詰め込んでいる。

 ただ、それだけ変わってしまった武器なのだ。どのくらい使い勝手が変わるのか、たしかめておかなければならない。

 ソードスキルは使えないが、素振りなら許されている。リンは生まれ変わった二刀を振って、それらを手に馴染ませ直している。

「うーん、こんなところだな!」

リンはそう呟くと、二本の剣を鞘に仕舞った。リンの完全記憶能力(アイテデック・イメージ)と、ライトと共に鍛え上げた実力、そして天性の才能があればこそ、この最短時間でのコンフォーミングが可能となっている。色々規格外なので、きっと人々は真似してはいけない。

 さて、武器の調整も終わったので、と、リンは今回の対戦相手について復習する。

 《神話剣》セモン。ライトとコンビを組んでアルマに挑戦したり、ダークとコンビを組んでライトと接戦を演じたりもした猛者だ。

 ユニークスキルは《神話剣》。ソードスキルのダメージを二倍にするスキル。

 セモン本人のレベルやステータスは、パワーインフレが激しい世界環境からみれば低めだ。しかし彼は、その未来視に近いとされる直感力や、《自在式》だったかそんな名前の、彼の世界の能力に後押しされ、とんでもない強さを発揮するタイプのプレイヤーだ。

 もっとも、今回はそんな小賢しい手を使われる前に勝つのだが。

『第三試合、プレイヤーネーム《リン》VS《セモン》を開始いたします。お二人はコロシアムに強制転移させますので、四十秒で支度をしてください』

 ――――そんな事を考えていると、機械めいた少女の声で、アナウンスが
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