26話:零崎舞織の人間交流U
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ず後退る。
女は鍔迫り合いをやめて、一歩二歩下がる。
伊織もショートソードは相手に向けたまま、じりじりと後退する。逃げるつもりだ。
「逃げましょう!」
伊織が後ろの男二人に言うと同時に女は斬りかかる。日本刀が再度振るわれる。伊織はショートソードを一旦下げてバックステップで回避―――。
「なっ、あっ?!」
したはずだった。
なのに。
日本刀―――正しくは妖刀罪花の剣先は伊織の腕を捉えていた。腕の中に刃が入っている。
(刀身が伸びた!? いや、でもどうやって―――)
目の前で起こったその現象に、伊織はつい考えてしまう。
そう。
伊織は罪花に斬られてなお、そんなことを考えられる。
「なぜ―――?」
女が初めて口を開き、そして刀身が僅かながら入っている伊織の腕を見る。
「まさ、か―――」
そう、零崎舞織は。無桐伊織の両腕は義手だ。
罪花がいくら斬りつけようと、愛し合うことなど出来ない。
しかしそこに新たな恋愛対象が参戦する。
「そこまでや。お前が刀使うんなら相手は俺や」
不敵に笑い、自らの支給品である真っ黒な刀を握って服部平次が現れる。杉村は既に逃がしてあり、遠くから伊織に向かってこっちに来い、と手を振っている。
服部が踏み込み、伊織が戦線を離脱し駆け出す。
罪花に乗っ取られた女、桂言葉は刀を服部に向けた。
◆
「服部さん、大丈夫かな‥‥?」
「‥‥‥正直、厳しいですね」
伊織が最初に桂言葉が木から襲ってくることに気付いたのは自分が零崎に目覚めており、殺気を感じることが出来たからである。
そのあとの攻防も未熟とはいえプレイヤーとしてのスキルを用いて戦っていた。
なのに、正直圧倒されていた。
伊織は勿論自分が戦っていた相手が正確には刀であることを知らない。
しかし、相手が自分よりも圧倒的に上だということはわかったし狙われたのが腕だったのが幸運なことも薄々は気付いていた。
だからこそ、プロのプレイヤーですらない服部平次の生存は期待できない。
「服部さんは危なくなったら逃げると言ってました。大丈夫ですよ」
行きましょう、と杉村は伊織の手を引いて走り出した。
【零崎舞織@人間シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:ショートソードを装備、ポケットにコンタクト
[道具]:支給品一式、ショートソード@現実、コンタクト@GANTZ、海藤瞬のノート@斉木楠雄のΨ難
[思考・状況]
基本思考:人識君や潤さんを探す
1:殺し合いには乗らないつもり
2:人識君平気ですかね?
3:安全な場所まで逃げる
【杉村弘樹@バトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダム
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