クリスマスデート
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「光る女の謎、私がつきとめるわよ」
健太は女の子をデートに誘うなんてことを今までの人生、ほとんどやってこなかった。バカ話やヒーローの話をする友達はたくさんいるが、こんな話を相談できる友達はいなかった。アオイも今回ばかりは相談に乗ってはくれなさそうだ。
自分ひとりで考えることに意味がある、ということもわかっていた。それでも答えが簡単に出せるわけではなかった。
「う〜ん、どうすればいいのかさっぱりわかんないよ〜」
頭をかきむしってもいい考えは出てこなかった。
ヒーローと世界の平和のことばかり考えていた健太の頭の中には、恋愛の駆け引きに使える部分はほとんど残っていなかった。
放課後、美紅は仲額高校に向かった。
校門でアオイが出てくるのを待っていると、ほどなくアオイが姿を現した。
「アオイさん」
「美紅ちゃん、どうしたの?」
健太や桃子が一緒ならまだしも、美紅だけでアオイを待っていることは珍しいことだった。
驚いて少し戸惑ってしまった。
「広野君の様子がちょっと変で……」
アオイはそれを聞いてちょっとニヤける。
「はは〜ん、ケン坊、クリスマスのデートの誘い方がわからなくて悩んでるのね……」
でも、そんなことを美紅に話してしまうほどアオイは野暮ではなかった。
「そうなんだぁ〜どうしたのかねぇ〜」
美紅から視線をずらした。少し思わせぶりな態度だ。
「アオイさん、「光る女」って知ってます?」
そう言えばクラスでも話題になっていた。
どうせ都市伝説だろうとアオイは楽観的に考えていたのだった。
「私は、ライエルと関係があるんじゃないかと思ってるんです。広野君はそれを知ってて自分だけで解決しようとしているんじゃないかと……」
確かにそう言われてみれば「光る女」がライエルと関連ってもおかしくはないかもしれないと思った。
ただ、それを健太と結びつけた美紅の推測に、アオイは思わず吹き出した。
「ハハハハ。それは考えすぎよ〜。大丈夫大丈夫。「光る女」の件は私も探ってみるから、美紅ちゃんはケン坊をサポートしてあげて」
そう言ってアオイはウインクをした。
「うん。わかった。私は広野君を信じるわ」
アオイの表情から美紅はアオイが何か知っていると確信した。
納得して美紅は帰っていった。
3.
暗い夜道、桃子は家への帰路を急いだ。
夜も8時近くになったがまだ下校途中だった。
学校で「光る女」の話のリサーチに夢中になってしまった、帰りが遅くなってしまったのだ。
「光る女」の目撃談は1人だけではなかった。実際に見たという人間も何人もいた。
そして目撃談はここ2〜3日以内であるということがわかった。
「きっとライエルが送り込んだ新手の刺客ね」
いつもより周りを気にしながら、それでも年頃の女の子だ
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