第四十一話
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笑みを向けると、美羽は少し顔を赤くしてから頭を下げてパタパタと走って行った。
なんだか背後から殺気じみたものを感じるけど、さてどうしようか・・・と考えていたところで、
「ちょうどいいところで会いましたね、一輝」
知り合いに声をかけられたので、そちらに体を向ける。そこには、見覚えのあるのが三人ほど。
「前に慈吾朗、豊か。どうしたんだ?」
「酒と何かつまみになる物を探しています」
「で、ワシはそんなものはないから諦めるように言いつつ保護者をやっておる」
「俺は『化け狐』につかまった。オイ、お前からも言ってやれ。そんなものがあるわけないだろう、諦めろ、と」
簡単にこのメンバーができた光景が想像できてしまう。
なんだかんだで、この三人で動く頻度は高いんだよなぁ・・・ひそかに前と豊がくっつかないかと思っていたりする。
「何にしても前。ここは高校生がメインなんだから酒の類はないぞ」
「チッ・・・。私たちを呼ぶのですから準備しておくべきでしょうに・・・」
「むしろ、酔っ払った席組みとか見せられたもんじゃないだろ。この間だって俺の家だからよかったものの・・・」
そう呆れながら少し考え、そう言えばあれがあったなと思い出す。
「そう言えば、向こうの方にきつねうどんとかいなりずしとかあったけど」
「・・・仕方ありませんね、それで我慢しましょう。・・・行きますよ、二人とも」
「いなりずしは久しぶりに食べたいのう・・・食べ過ぎんようにせんとな」
そう言って歩き出したのが二人と、逆方向に行こうとするやつが一人。だがしかし、そいつの首に式神から生成されたロープが巻きついて、引っ張られる。
「早く行きますよ、豊」
「まて!酒を飲むならと言っただろう!?」
「ここまで来たのですから最後まで付き合いなさい」
「ふざけるな!おい『型や」
「豊、この肉うまいぞ!」
「フガッ!?」
何か口走ろうとしていた豊の口に肉を押し込み、黙らせてから見送る。
あのバカ・・・正体暴露しかけてるんじゃねえよ・・・!
「・・・なあ、一輝」
「ん?どうした?」
「いや、あれ・・・よかったのか?」
「ああ、大丈夫大丈夫。前は油揚げ大好きだし、慈吾朗は席組み一の常識人だし」
「いや、そうじゃなくて・・・」
はて、何を言いたいのかさっぱり分からない。
とりあえずは気にしなくてもいいだろう。まさか豊の事じゃないだろうし。
「ん?オオ、一輝!食ってるか!?」
「食ってるよ、拳。俺としてはそれよりも、お前が何をしてるのかと聞きたい」
ガッハッハ!と豪快に笑う拳は、何故かでっかい肉の塊を載せた台車を押している。でかいのレベルがかなりおかしい。二百キロはあるんじゃないのか、それ?
「
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