第四十話
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、俺は普段はしていない武装を・・・腰の後ろ側に匕首を止めているのでこれの事を言っているのだろう、とすぐに分かり、鞘を付けたまま外してラッちゃんに渡す。
渡されたラッちゃんが首を傾げたところで・・・
『おはようございます、凉嵐さん』
「きゃっ!?」
そこから穂積の声がして、驚いて落としかけた。
「え・・・今、これから穂積さんの声が・・・」
『ここにいますからね、わたくし』
再び匕首から声がすると、光り出して・・・光が収まると、そこにはいつも通り和服姿で先ほどの匕首を持った穂積がいた。
「・・・穂積さん、この土地から出られなかったんじゃ・・・」
「ま、その辺は少し裏技をな。匁にも協力してもらった」
あのバカ騒ぎになった誕生日パーティの夜受け取った匕首。これには土地の霊脈パターンなどの類を模倣する式が入っているので、数ヶ月かけて模倣させて、それにとりつくことで移動を可能にしたのだ。・・・かなりの裏技、力技な関係で土地に置いておいた時間の半分程度しか持たないけど、呪校戦の間分くらいには十分すぎる。
『そう言うわけですので、こっそりと付いていきます』
「そ、そうなんだ・・・呪術って、何でもありなのね」
「それはもう今更じゃないかな、ラッちゃん?」
「とはいえ、私も殺女も見た時には心底驚いたがな」
かく言う俺も、実際に出来たことや注文したその日のうちに届いたことに心底驚いたんだけど。
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「ねえ、実際のところ三人と一輝君ってどんな関係なの?」
行きのバスの中、横並び五人の最後尾の席で一番左側に座っている人・・・大同 菊乃からそう質問された。
「どんな、って言うと?」
「ほら、付き合ってるのかどうか、とかじゃないかな?」
殺女の質問に答えたのは菊乃の隣に座っている多岐倉 有那。名前がどちらともとれることや普段着が男ものなこと、男性的な見た目からユウ君と呼ばれることの多い女子だ。あだ名の呼び中では唯一、殺女がユウちゃんと呼んでいる。
この二人からそんな質問をされて固まった私と殺女をよそに、凉嵐が。
「はぁ・・・そう言うのはないわ。あたしだけじゃなくて、この二人もそうだと思う」
「あ、そうなんだ」
「そうよ。・・・昔もよく聞かれたけど、あれが恋愛感情なんて分かるはずもないし」
「「あー」」
つい、私と殺女は納得したような声をあげてしまった。
確かに、あれが恋愛感情を分かっているとは思えない。当然、理解できているなどではなくて、こういうものだという経験からくる感覚的なもので、だ。
「そう・・・なんだ?」
「そうよ。・・・カズと話したことがあれば分か
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