第三十五話
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いなく光也は許可を出すだろうけど、それでも念のために、だな。
「あたしは、まあいいかな。こんなに中途半端にしか妖怪の血が流れてなくてもいいなら、ですけど」
「あ、それについては大丈夫。むしろ、人間の血の影響でいい感じに強化されてるみたいだし」
確かに、ラッちゃんはハーフよりも人間の血が薄めになる・・・ここまで中途半端な形にひいた例は中々いない、珍しいケースだ。
そして、妖怪の血に人間の血を混じらせた場合、人間の持つ彼岸への感受性から妖術のコントロール能力が上がるという事も、研究結果として出ている。これで中々に強いのだ、ラッちゃんは。
「とりあえず、二人は確保・・・って、寺西くんも出ていいんじゃないの!?」
「チッ、気づいたか・・・」
「今舌打ちしたよね!?」
はぁ、気づかれたなぁ・・・俺、席組みじゃないことになってるし。
殺女に対して適応された条件は、表向きには俺には適応されないことになる。
「んじゃ、参加しない理由その一を言います。めんどくさい」
「何でよ!?通ってる高校のために一肌脱いでくれても、」
「と言っても、これは建前なんだけど」
「早く本当の理由を言いなさい!」
・・・もう後十回はいじりたかった。ここまで弄りがいのある人、中々いないんだよなぁ・・・伊空、弄られ過ぎて涙目になってるし。
最近では、ここまでなのはいないんだよ・・・最初の頃は雪姫が面白かったけど、最近ではもう慣れてきちゃったみたいだし・・・雪姫、適応力高いんだよな。おかげで、一緒に暮らしていて楽しいけど。
「はぁ・・・じゃあ機密事項を避けて説明するけど、俺も呪校戦への参加は後見人から禁止されてるんだよ。色々と諸事情があってね」
「・・・何で禁止されてるの?」
「一つ目の理由は、機密事項につき話せない」
これは、俺が席組みの第三席、『型破り』だからでーす。
これさえ言えれば、それで終わることなんだけどなぁ・・・
「一つ目ってことは、他にもあるのね?話してもらえる?」
「二つ目の理由は、機密事項につき話せない」
これは、俺が非公開の異常能力者だから。
万が一にも、俺が無意識のうちに使うなんてことが起こると面倒だから。
まずあり得ないけど。俺が使わない気でいたのにこれを使うなんて、命の危機レベルに何かあるか、俺がこれを使わないと解決できない・・・神が出現するレベルの事件でもない限りはない。
つまりは、可能性は一パーセントにも満たないわけだ。正直、形ばかりの禁止である。
「・・・まだあるのかしら?」
「三つ目は、機密じこ」
「機密事項で話せないのね!もう流れの予想ついてるわよ!」
「機密事項につき話せない」
「分かってるって言ったわよね、私!?」
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