第雪話
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象とされていて、それの更新を定期的に行うことは義務付けられている。使える妖術のレベルだとかによってどれくらいの制限をかけておく必要があるかが変わってきたりするし、それを行わないと場合によっては妖怪としての本質に引っ張られて人を襲いだす心配もある。
確か鼬の場合は・・・カマイタチに引っ張られることが多く、その時は人を斬る風の妖怪となるだろう。が、凉嵐は風の妖術よりも鼬火の方が得意だったから、引っ張られるならそっちだろうな。その時は、吸血衝動に駆られるわけだ。・・・対策しやすいので、討伐されることもないだろう。
殺女は分かりやすく、席組みとして闇口光也に呼び出された。もう一人匂宮美羽も呼び出され、仕事があるらしい。内容はテレビ出演。
・・・いや、うん。まあ分からないではない。この二人に限った話ではなく席組みは全員整った顔立ちをしているから、そんな人前に出るような仕事が増えるのも理解は出来るんだが・・・なんだか、本当にやるべきことからは離れて行ってしまっているように思えて仕方ない。
ちなみに、殺女はこの類の仕事がある度に家で愚痴っている。その標的は主に一輝であることが多い。同じ席組みで、しかも第三席という自分よりも高い立場にいるはずなのに、一切その手の仕事をしていないんだから当然と言えば当然だが。この件に関して、顔バレするイベントは一切NGであることを、一輝本人はとても喜んでいた。
まあ、あいつも世間一般にはカッコイイと評されるであろう顔をしているし?卵で無かったならその手の仕事があってもおかしくはなかったかもしれないな、うん。
「って、何考えてるんだ私は・・・」
気がつけばあいつのことを考えている、なんてことが最近よくある。いや別にそういうことじゃなく、あれだけ衝撃的な出合い方をしたわけだし、印象的にもなるだろう。というかあそこまで強い印象を与えられる人間なんてそうそういない。だからそういう話ではない。うん。
「なにせ、あれだからなぁ・・・」
何度思い返してみても、おかしな奴だ。暗殺しに行ったら寝たまま無力化されて、まあこのまま捕まるかうまいこと逃げ帰っても殺されるかなぁとか思ったら朝食を一緒に食べることになって、遊びに連れだされて・・・あっさりと、元凶を殺して見せて。
「・・・あそこまでなるには、一体何があったんだろうか」
ある程度聞いたとはいえ、全部聞いたわけではない。だからちゃんと分かるわけではないし、私に理解しきれるとも思えない。それくらいには、一輝の底は深く、くらい。
そして、私にはそれを詮索する権利も、責める権利もない。一輝が手を汚してくれたおかげで、私は今こうしていられるのだから。でも、気にはなる。
「気になっても仕方のないことだな」
少し頬を叩いて気を切り替え、考
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