第三十九話 古都での死闘その五
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「けれどな」
「それを身体ですることはです」
「難しいからな」
「その通りです、貴女はそれが出来ています」
「そう言ってくれるか、しかしな」
「これ位はですね」
「まだまだだよ」
序の口だというのだ、薊は笑みを浮かべつつも警戒の念を解かないでそのうえで怪人に対してであった。
また来た怪人の鞭を今度は縮めたままの棒で弾き返した、また来たそれを再び防ぐ。その隙を見て攻撃をしていた。
その攻防の横でだ、菖蒲はというと。
コモドドラゴンの怪人と接近戦をしていた、間合いを詰めて剣での攻撃を放っていた。だがその攻撃をだった。
怪人はその両手で全て防いでいた、そのうえでボクシングのパンチを放つ。菖蒲はそれをフェシングの動きでかわしつつ。
やはり攻撃を放つ、そうしつつ言うのだった。
「いい動きね」
「君もね」
「私の剣を腕で防ぐとはね」
「僕の腕は特別でね」
怪人は手の甲等で菖蒲の剣を防ぎながら答えた。
「刃を通さないんだ」
「その鱗で」
「そう、特別硬い鱗なんだ」
怪人のそれはというのだ。
「だからだよ」
「刃が効かない」
「どんな刃もね」
「それだけ硬いのね」
「そうだよ、だからね」
それで、というのだ。
「君の剣がどれだけ鋭くてもね」
「効かないというのね」
「残念だけれどね」
「そのことはわかったわ」
菖蒲は自分の攻撃が効かないと言われても冷静だった、そして。
怪人にだ、こう言ったのだった。
「剣が効かないとなると」
「力かな」
「そうよ、私達にはそれがあるわ」
そしてその力をというのだ。
「ここで使ってね」
「倒すというんだね、僕を」
「その通りよ、例え刃が通じなくても」
力を使えばというのだ。
「倒せるわ」
「果たしてそう上手にいくかな」
ここでだ、怪人は。
両手だけでなくだ、その身体にある尻尾をだった。
いきなり、菖蒲の視界の死角から振ってだ、その腹を打った。長い尻尾のその一撃を受けてだ、菖蒲は右に吹き飛ばされた。
その一撃を見てだ、裕香は蒼白になり言った。
「今の一撃は」
「ええ、かなりのものよ」
菊がその裕香に答えた。
「お腹に横から受けたわね」
「ええ」
「致命傷よ、お腹は筋肉があっても」
所謂腹筋だ、それがあってもだ。
「骨がないから」
「肋骨みたいに守るものがないから」
「直接内蔵にダメージがいくから」
人間の身体で最も弱い部分であるそこにだ。
「だからね」
「菖蒲ちゃんも」
「死ななくても」
「ダメージが大きいわよね」
「かなりね、立てるかしら」
かなり真剣にだ、菊は菖蒲のことを心配した。
「若し立てても」
「内蔵が」
「大丈夫だといいけれど」
「それによ」
今度は向日
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