1部分:第一章
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その彼、パーシバル中将は静かにアメリカ軍の軍服の男達の言葉に頷いた。
「この男だ」
「貴方に屈辱を負わせたこの男が今降伏する」
「無様なものですな」
彼等は山下をあからさまに侮蔑した目で見ながら話をしていた。アメリカ軍の者達はそうであった。
「では閣下、今からこの男が貴方に膝を屈します」
「それをよく御覧下さい」
「わかった」
パーシバルはここではあえて殆ど何も言わず見ているだけであった。しかし山下の周りはそうはいかなかった。明らかに狼狽を見せていた。
「これがこの連中のやり方か」
「何ということを」
敗れたとはいえ誇りを失ってはいなかった。このあまりにも屈辱的な行いに対して彼等も憤る。しかしどうしようもなかった。
「閣下、やはりここは」
「我等が」
「いや、いい」
山下とて屈辱を感じていない筈はなかった。現にその唇を強く噛み締めている。しかしそれでもだった。彼はあえて前に出たのであった。
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