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ルドガーinD×D (改)
三十九話:守るという選択
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きろ。
 その方が誰にとっても幸せだ」

「幸せって何だよ!? お前は俺達の仲間だろうが、友達だろうが!
 それを見捨てて幸せになんか、なれるわけないだろ!」

「……イッセー先輩の言う通りです。
 ……兄様がいなかったら少なくとも姉様は幸せになれません!」


叫ぶようなイッセーと小猫の言葉に顔を苦しげに歪ませるルドガー。ルドガーとしては何よりも黒歌の幸せを祈っているし、それにみんなの幸せも祈っている。だからこそ、幸せになれないと言われると悩みや迷いが生まれてしまうのだ。しかしながら、自分と一緒に居れば必ずと言ってもいい確率でもう一人の自分は彼等を殺すだろう。

本来、生きていれば享受できたはずの幸せを逃してしまうのだ。故にルドガーは引くことが出来ない。しかし、悩みや迷いは晴れない。そんなルドガーの様子を見て、後、少しで連れ戻せるかもしれないと考えたリアス達が一斉にルドガーに呼びかける。


「私達はあなたがどんな人間だったとしてもそれを否定しないわ。だから帰ってきなさい!」

「どんな困難であってもみんなで立ち向かえば必ず乗り越えられるはずですわ」

「その通りだ、私達を置いて一人で立ち向かおうなど主が……いや、私が許さない!」


リアスが、ルドガーがどんな人間であったとしても否定せずに受け入れると言い、朱乃はどんな困難であったとしても、全員で立ち向かえば必ず乗り越えられると説き、ゼノヴィアがそれに同調する。その優しい言葉にルドガーの顔はますます歪んでいく。

どうしてこんな最低の人間にこうも優しい言葉をかけてくれるのかとさらに頭は混乱し、それでもその優しさを受け入れることが出来ない自分に自己嫌悪していく。そしてそんなルドガーにまたしても優しい言葉が掛かる。


「君はどんな時でも僕達を助けてくれた。だから今度は僕達が君を助ける番だ!」

「ルドガーさん、あなたは優しい人です。そんなあなただから私達はあなたを助けたいんです」

「ルドガー先輩、戻ってきて、また、僕にケーキを食べさせてください」


祐斗、アーシア、そしてギャスパーの言葉にルドガーの心は大きく揺らぎ座り込み頭を抱えてしまう。自分の兄を殺すような悪人なのに、自分の願いの為に世界を壊し続けてきたエゴの固まりのような人間なのに、みんなが自分を助けてくれると言ってくれた。

そして、戻りたいと……あの暖かな空間に戻りたいとそう強く思ってしまった。ミラにも周りを頼れと言われた、ならば頼ってもいいじゃないのかとそう思ってしまうが、それでも彼には大切な、何に代えてでも守り通したい者がいる。もう二度と自分の大切な者を失わないと彼は決めた。一緒に居れば彼女を失ってしまうかもしれないと恐怖する。故に彼女を失う選択を決して選ばず別の選択を
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