暁 〜小説投稿サイト〜
(仮称)問題児たちと一緒に転生者が二人ほど箱庭に来るそうですよ?
弟子は虎と、師匠は忌み子と出会うそうですよ?
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ワシが知っとる人里とはえらい空気が違う場所や。まるで山奥の朝霧が晴れた時のような澄み具合やなぁ。ほら、あの噴水の彫像もえらい立派な作りやで! お嬢の親父さんが見たら、さぞかし喜んだんやろうなぁ』
「うん。そうだね」
「あら、何か言った?」
「……いや。別に何でもない」
久遠は春日部のわざと自分との間に壁を作るような声音を聞いて、それ以上の追求はせず目の前で賑わう噴水広場に目を向ける。
噴水の側には洒落たカフェテラスがいくつも並んでいて、そのどれもが人々で賑わっていた。
「何処かお勧めの店はあるかしら?」
「す、すいません。段取りは黒ウサギに任せていたので………よかったらお好きな店を選んでください」
「あら、それは太っ腹なことね」
四人と一匹は身近にあった六本傷≠フ旗を掲げるカフェテラスへと座る。すると注文を取るために店の奥から素早く猫耳少女が飛び出てきた。
「いらっしゃいませー。御注文はどうしますか?」
「えーっと、紅茶を四つ。あと軽食にコレとコレと」
『ネコマンマを!』
「はいはーい。ティーセット四つにネコマンマですね」
………ん? と久遠とジンが不可解そうに首を傾げる。しかしそれ以上に驚いていたのが春日部である。信じられない物を見るような眼で猫耳の店員に問いただす。
「三毛猫の言葉、分かるの?」
「そりゃ分かりますよー。私は見ての通り猫族ですから。お歳のわりに随分と綺麗な毛並みをした旦那さんですね。ちょっぴりサービスもさせてもらいますよー♪」
『ねーちゃんも可愛い猫耳に鉤尻尾やな。今度機会があったら甘噛みしに行くわ。もちろんプライベートでな』
「やだもーお客さんったらお上手なんだから♪」
猫耳娘はそう言いながら、長い鉤尻尾をフリフリと揺らしながら店内へと戻って行った。
彼女の後ろ姿を見送った春日部は、嬉しそうに笑うと三毛猫の背中を撫でる。
「………箱庭ってスゴイね、三毛猫。私以外にも三毛猫の言葉が分かる人がいたよ」
『来てよかったなお嬢』
「ちょ、ちょっと待って! 貴女、もしかして猫と会話ができるの?」
「もしかして……猫以外にも意思疎通は可能ですか?」
「うん。生きているなら誰とでも話は出来る」
「それは……素敵ね。じゃあ、そこに飛び交う野鳥とも会話が?」
「うん。きっと出来………るかな?ちょっと後者は試したことがないから分からないけど……ええと、鳥で話したことがあるのは雀や鷺に鴉や不如帰くらいだけど……ペンギンもいけたからきっとだいじょ」
「「ペンギン!?」」
「う、うん。水族館で知り合ったの。他にもイルカ達とも友達」
久遠とジンの二人は、春日部がペンギンと話せることに、ではなくペンギンと話す機
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