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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百九幕 「リバーシ」
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生み出される正体不明の力が、やがて形を為していく。
いつかもこうして腕を黒く染めたことがあった。
だがあの時とは違う。この漆黒に染まった両碗は、間違いなく一夏が自分で求めたものだった。
荷電するエネルギーがバチバチとスパークながら、その刀身を青白い姿から赤みを帯びたものへ変えていく。
反
(
アンチ
)
バリアエネルギーの性質がより攻撃的に、熱狂的に変化する。今の一夏が剥き出しにする闘争心の赴くままに。
火照るような熱に魘された刃を振りかざした一夏は、真正面にAICから逃れようとするゴスペルを見下ろした。
歪な天使よ、悪魔の刃にて堕天せよ。
「零落白夜、弐の型――
月夕
(
げっせき
)
ノ太刀ッ!!」
空を燃やす夕日のような鮮やかな橙に周囲を照らす眩い刃が、鉄をも破断する超高熱を以ってシルバリオ・ゴスペルを斬り裂いた。
悲鳴のような金切声を海に響かせたシルバリオ・ゴスペルは、その一撃を最後に全てのエネルギーを使い切り、こと切れたようにその翼を光の飛沫と散らせた。天使は翼を失い、海へと堕ちる。
膨大な熱を噴き上げる「月夕ノ太刀」が自動解除され、強制冷却による熱が蒸気と共に剣から噴出される。それと時を同じくして、白式の黒腕は元の白い腕へと戻っていった。
ゴスペルを冷酷に見下ろしていた一夏が、黒の消失と共に我に返る。
「あ……しまった!急いで助けないと……!」
戦いに夢中で忘れかけていたが、ゴスペルの中には人がいるのだ。このままぼうっと海に落ちるのを見ている訳にもいかない。焦った一夏は白式をブーストさせようとし――
プスン、と間抜けな音が響いた。
「え?」
《残存エネルギー0。IS展開状態を維持できません》
「はぁぁッ!?」
ぱしゅっ、と音を立てて白式の頼もしい鎧が光となって散った。
「う、嘘だろぉぉぉぉぉ!?」
「い、一夏ぁぁぁ!?」
「これはいけませんね……BT、助けてあげなさい」
セシリアのBTが器用に動き回り、落下中のゴスペルと一夏を支える。が、一夏はBTに上手く捕まり損ねたのか宙を浮くBTに必死でしがみ付いている。
「だ、誰か!この高さでIS無しに落ちたら流石に死んじゃうから!た、助けてぇぇぇーーーーッ!!」
「あ、あはははは……」
足をバタバタさせながら顔を真っ赤にして助けを求める一夏に、周囲は苦笑いする他なかった。
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