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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百九幕 「リバーシ」
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りに出来ない俺に力を。
神に拝み倒すように、不安を敵意で強制的に塗りつぶすように。
一夏は士道も倫理も忘れて、ただ純粋に力だけを求めた。
どくん。
心臓の高鳴りが耳に心地よい。迷いや恐れが剥がされていく。
視界がどんどん明るく、クリアに、果てしなく――
『――そうそう、今はそれぐらいでイイんだよ
一夏
(
おれ
)
。もっと力を求めろ。もっと暴力を欲せ。それが戦いの本質って奴だろ?』
「力を、寄越せよ」
『くくっ………どーぞご自由に』
さも可笑しそうに笑ったあの一夏は、ポケットに手を突っ込んだまま一夏へと道を譲った。
譲った先にあったのは、いつか夢で見た黒い門。
本能的に――力がここにあると確信した。
黒。
何物にも染まらぬ孤高の黒。
白式の純白と対を為し、好きも悪きも飲みこむ力。
門の隙間から漏れ出るように現れ、渦巻き、ひとつの玉となったそれが、一夏の掌に落ちる。
落ちた黒は、纏わりつくように一夏の右腕を包み込み――気が付けば、漆黒を基調としたISの籠手として装着されていた。
『そいつはお前の物でもあるしなぁ?俺に止める権利はねぇよ。くそガキも反対しないみたいだし、な』
「……………これが、力」
『使い方間違えんなよ?黒は悪の象徴なんていう奴もいるが、本質的には正義でも悪でもない。神にも悪魔にもなれる――そして、誰にも染められない。それが"マジン"の本質だよ』
憑りつかれたように黒を見ていた一夏は、ふと我にかえったようにもう一人の一夏を見た。
「何で今になって、俺はここで力を貰うなんて考え付いたんだろう。現実じゃこの場所の事も覚えていない筈なのに」
『それはちょっと違うな。だって、ここは"お前が辿り着く場所として作られた"んだからな』
加速、加速、加速。
気が付けば、一夏はまだゴスペルに邁進し続けている。
あれを一撃で確実に倒すための力は――俺の見た夢だったのか?そう考えた刹那、白式の腕部に変化が起きた。
《部分移行発生 腕部変形 機能『□□□□□□』、アクティブ》
雪片を握る両碗の装甲が変形していく。
より甲は分厚く、よりパワーを象徴するようにボリュームが膨れ、何所か刺々しくも芯を感じる「漆黒」の腕へ。
破壊と腕力、そして硬度。戦いに必要なあらゆる要素がその腕部に収束されていく。
「あれは……形態移行!?ううん、違う!隠し機能なの!?」
「あの黒、あの動き……"また"なのか?」
そして、黒く染まった腕からエネルギーの奔流が雪片弐型へと注がれていく。
一夏はその流れに逆らわず、雪片に全ての力を注ぎ込んだ。込めるイメージは力と熱。破壊で用いられるもっとも基本的なエネルギー。黒い腕から恐ろしいまでに
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