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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第68話 限界を超えて………
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。
キィン!!
「!?」
先ほどはクレインに弾かれてしまうほど弱かった刀がクレインの剣を弾いた。
「なっ………!!」
驚愕で口をだらしなく開けているクレインの顔に俺は思わず笑みがこぼれた。
『有栖零治はね………家族の為ならどんな相手にも負けないの!!!』
そう、俺は家族の為ならどんな相手だろうと、決して負けない!!!!
「何をバカな事を!!!!」
回転して、その勢いと共に俺に斬りかかってくるクレイン。
「!?」
左腕を上げようとしたが、先ほど斬られ、更に踏まれた事で腕が上がらない。
「右腕だけでこの攻撃を防げるかい!?」
そう問いかけるクレインだが、今の俺に焦りは無かった。
「遅いよ」
回転しながら斬りかかるクレインだが、その一手目を抑えれば二手目の軌道は読みやすい。
「くっ………!!」
右回転で斬りかかって来たクレインの最初の一手目、左腕の剣を受け止めた。
「だがこれで………!!」
二手目で右腕の剣で斬りかかるクレイン。横なぎに斬りかかって来る。
だが、人は同時に何かをするのは苦手な方だ。訓練すればそれも可能だろうが、戦闘の浅いクレインの場合。
「左の剣の力が弱まってるぞ」
「なっ!?」
俺はそのまま左腕の剣を力任せに押した。
体勢を崩したクレインは右腕の攻撃が止まり、地面に尻もちをついた。
「な、何故………」
「人の身体はどうしても左右両方に力を入れるのは難しい。どうしてもどちらかを意識してしまうからだ。訓練した人だったらそれも可能だろうが、経験の浅いお前は………」
「ち、違う!!何故先ほどまで立つのもままならない人間がどうしてそこまで動ける!!」
「うん?そうだな………俺にもよく分からん。だけどエリスの言葉を聞いて、自然と体に熱が湧き上がってきたんだ」
「ね、熱だと………!?」
「そうなってきたら痛みも和らいできたんだ。………人間の身体って本当に不思議だ」
「そ、そんな馬鹿な事!!」
「それともう一つ………漫画で読んだ事だけど、多分この現象を『精神が肉体を凌駕した』って事なんじゃねえかな」
「精神が肉体を凌駕した………?」
「ああ」
と答えたが、本当にそうなのか何て分からない。だけどエリスの言葉が俺の中に熱を与えてくれた。
俺の精神を震え上げさせる言葉を言ってくれた。
「ありがとうエリス。俺はまた、お前に救われた」
『………いいえ零治、貴方のその想いがまた貴方を立ち上がらせたの』
「それでもありがとう。お前が傍に居てくれて本当に良かった………」
もう何度目か分からない、最高の相棒にお礼を言い、再びクレインに対峙する。
「さてとクレイン……
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