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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第68話 限界を超えて………
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られてしまった。

「君の甘さだね。人を殺めるのは初めてじゃあないだろう?」
「っ!?だが、それじゃあ………!!」
「例え私を倒して聞き出そうとして私が話すと本気で思ったのかい?」

その問いに俺は何も返す言葉は無かった。確かにクレインを倒したとしても話すとは思えない。

「君は大事な人を守ると言って結局自分自身を大事にしてきた。その結果が今、どちらも失おうとしている。………実に滑稽だね」
「くっ………!!」

悔しいがクレインの言う通りだ。俺は結局家族を守ると覚悟を決め、自分自身も犠牲にするつもりだったが、結局無意識に自分自身を守っていたのだ。
星達に救われてから俺は自身を汚す仕事を止め、平凡な生活を過ごしてきた。それでもバルトマンにも勝ち、その他の敵にも負けずにやって来れた。

(覚悟が………足らなかった!!)

ホムラに言われた時に、理由を付けて断ったが、結局人を殺した感触を味わいたくないだけなのかもしれない。………しれないと疑問形なのも、無意識にそう思っていたからだろう。

(俺は………)
『それは違うわ!!』

後悔の中に自分が居る中、エリスがハッキリとクレインに叫んだ。

「何が違うと………?」
『零治を滑稽と言ったけど、誰かを守るのに自分を犠牲にするやり方じゃ結局誰も救われない。零治のやり方は決して間違っていないわ!!』
「だが、自分を大事にした結果、彼は今敗北し、全てが終わりを迎えようとしているんだよ?」
『あなたこそ勘違いしてるわ。自分を大事に出来ない人が他者を守る事なんて出来るわけないじゃない!!それにまだ零治は負けてない!!!』
「!!!」

その言葉に衝撃を受けた。
エリスの言う通りだ、誰かを守るには自分を犠牲にしたところで結局守ろうとした誰かを悲しませる事になる。
それを俺は星達に直接言われていた筈だ。

(俺は自分自身を犠牲にしても勝とうとした時点で負けていたのかもしれないな………)

例え、0.001%でも諦めない。それこそが勝つための心構えだったのかもしれない。

「ほう………こんなボロボロでフラフラの彼に勝機があると………?」
『当たり前じゃない!!こんなピンチ、昔からいくらでも乗り越えてきたのよ!!』

そうだ、俺はこの世界に来てから、先輩に会ってから、先輩が死んでから、バルトマンとの戦いと様々な苦難にも打ち勝ってきた。
それも全て、守りたい人達が居て、そしてその人達と過ごす、平凡だけど楽しい毎日を守りたかったから勝ってきたんだ。

『それにね………』

身体が動かない?だからどうした………!!

「………ん?」

立ち上がろうとした俺にクレインが気が付いた。

「まだ動くきかい!!」

そんな俺に剣を突き刺そうとする
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